【#インスタ医療団】医療の正しい知識を広める、小児科医たちの活動とは

インスタ医療団
インターネット上には、さまざまな情報があふれています。しかし、残念ながらそれらの情報がすべて正しいわけではありません。ネット上の医療情報に危機感を持ち、情報発信を始めたのが#インスタ医療団です。今回は、インスタ医療団が発起されるまでの経緯や、情報の正誤判断の大切さなどをお伝えします。子どもの健康や成長が気になるママ・パパはぜひ目を通してみてください。

正しい医療知識を!インスタ医療団とは?

医師とパソコン
ママ・パパはとても気になる、子どもの健康や元気に育てるための情報。そんなママ・パパたちにぜひ一度見てもらいたいのが、写真中心のSNS・インスタグラム(以下インスタ)で話題の“#インスタ医療団”です。

ネット上にあふれる誤った医療知識に危機感

#インスタ医療団がインスタで見られるようになったのは、2018年11月ごろのことでした。中心人物の一人となり発信を始めたのは、大阪南医療センターで働く小児科医・パパ小児科医(ぱぱしょー)こと加納友環(ともわ)さん。インスタのアカウントを作り情報検索したところ、科学的な根拠のない情報があふれていることに気づいたのだそうです。
そこで「科学的根拠がある情報を発信していこう」と決意。趣旨に賛同した医師の一人、京都大学皮膚科医の大塚篤司さんの発案で#インスタ医療団が発起されました。

「母乳のほうが優れている」も間違い

母乳育児が主流の日本では母乳育児こそ最善とされ、「母乳じゃないと愛情不足」、「母乳で育てないと病気がちになる」など、根拠のない情報も見受けられます。実際に、加納さんがインスタで検索していたときに見かけた多くの情報が、母乳が最善であるとする“母乳神話”でした。
しかし、実際のところ母乳にはビタミンD・Kが不足してるといわれています。母乳育児にも落とし穴もあるのです加納さんは、ママたちが母乳神話に追い詰められないようにしたいと考え、ミルク育児のメリットなども発信していったのです。

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いきすぎた自然派育児、本当に大丈夫?

自然の育児
近年、オーガニックや無添加という言葉をよく耳にするようになりました。食べ物であれば添加物や農薬を使っていないものを好むなど、「自然派」な生活を目指している人もいます。ナチュラルな暮らしを目指すことはもちろんいいのですが、やりすぎた「自然派育児」は時に子どもの命を危険にさらすことになりかねません。

前出の加納さんは、インスタで情報検索をしていたときに、#反ワクチンや#脱ステロイドといったハッシュタグと一緒に、#自然派などのハッシュタグがよく使われていることに気づいたといいます。ワクチンやステロイドにはたしかに副反応・副作用が見られることがありますが、それはどんな薬にも起こりうること。しかし現代の日本では、ワクチンやステロイドのマイナス面ばかり大きく取り上げられたこともあって、ワクチン後進国となっています。

自然のものなら絶対安全とは言い切れない

子どもにはワクチンを接種させない、発熱など体調不良のときは病院や薬に頼らず家庭でケア、食べるものは無添加・無農薬など。このように子どもの身体のことを考えて、さまざまなこだわりを持って育児をしている自然派ママたち。自分なりにナチュラルな暮らしや育児を楽しむのはいいですが、あまり入れ込んでしまうのは考えものです。

例えば自然から採れるキノコには毒があるものもありますし、ズッキーニなど毒がある場合もある野菜も。フグにも毒がありますよね。こういってしまうと少し極端かもしれませんが、“自然=安全”という考え方は正しいと言い切れないのが現実です。

また、最近よく見る“無添加”という表示も、日本では明確な基準がありません。一切の添加物が加えられていないようなイメージを持ちますが、決してそうではないのです。つまり“無添加=安全”とも言い切れないというわけですね。

2009年には生後2カ月の子の死亡事故も

2009年、山口県山口市で生後2カ月の女の子に投与が必要だったビタミンKを助産師が投与せず、結果ビタミン欠乏性出血症で女の子が亡くなるという事件がありました。その助産師はビタミンKを投与したと偽り、実際にはホメオパシーで使われるレメディ(薬理学的には砂糖の玉)を与えていたのです。
ホメオパシーとはドイツ発祥の代替医療で、世界80カ国ほどで導入されています。しかし日本では、2009年に事件が起こったことも受け、2010年に日本学術会議で「科学的根拠ははっきりと否定される」など否定されています。

もちろん、ホメオパシーなどの民間療法を十分に理解した上で取り入れるのは個人の自由です。しかし、完全に自然治癒力に頼るのではなく、ママ・パパが異変を感じたら病院に連れて行くなど、ほどよく現代の医療に頼る…それくらいがちょうどよいのではないでしょうか。

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