あなたは自分の親や配偶者の親のことを、子どもになんと呼ばせていますか?昔は一般的に「おじいちゃん、おばあちゃん」だった呼び方も、時代の流れと共に変わってきています。ここでは、なぜ呼び方が変わってきたのか、その経緯について考えてみましょう。
祖父母の呼び方…実態調査の結果はどうなっている?
ママとパパへの聞き取り調査によると、約70%の方が子どものころに自分の祖父母のことを「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼んでいたようです。しかし時代は変化するもの。現在は「じいじ、ばぁば」という呼び方をしているという人のほうが、「おじいちゃん、おばあちゃん」よりも多いという結果になっています。
『ウチの両親は、子どもが生まれた日から「じぃじですよ~」「ばぁばだよ~」と言っていた。多分、今風な呼び方に憧れがあったんじゃないかな…… 』(30代・4歳児のママ)
『ちょうど話し始める年頃でも、短くて呼びやすい「じぃじ・ばぁば」は良いと思う』(40代・年長児のママ)
引用:“祖父母の呼び方”ランキング・ウーマンエキサイト
多い、多いとは思っていましたが、まさか「おじいちゃん・おばあちゃん」を上回る多さだったとは驚きです。比較的新しい呼び方であるにも関わらず、きちんと意味が通じる程度には市民権を得ていて、おまけに語感がかわいらしいという……。
考えれば考えるほどメリットの多い選択肢なのかもしれません。また、しゃべり始めた赤ちゃんでも言いやすいシンプルさも利点として挙げられますね。
『義母が、自分のことを勝手に「ママ」と呼ばせようとしていた。「ママは私だろ!」とムカついたので、子どもには家でみっちり「おばあちゃん」だと教え込んでおいた。以降、そのまま』(30代・小3のママ)
引用:“祖父母の呼び方”ランキング・ウーマンエキサイト
なぜ呼び名が変わってきたの?
先ほどのアンケート結果によると、「じぃじ、ばあば」と呼ぶにはいくつか理由があったそうです。例えば親戚の子どもなど、先に生まれた子どもが何と呼ぶのかに合わせていたり、「おじいちゃん、おばあちゃん」というのが長いため、呼びやすさを考慮して短めにしたなどの理由が見られました。
イメージと発音が明瞭だから
「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ぶと、どうしても自分の親が歳をとったと実感せざるを得ないですよね。それに比べて「じいじ、ばあば」だと、何となく明るく元気なイメージで呼ぶことができます。それに加えて、子どもが発音しやすいというメリットもあります。
そもそも高齢者が「自分を若い」と思うように
現在は、自分が若いかどうかということに関心を持つ高齢者の方が増えたとも言われています。例えば、電車で席を譲ると、「私は年寄りじゃない」と怒る高齢者の方いるそうです。まだ自分は若いんだと思っている方は、「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばれるのに抵抗感を持っているのでしょう。
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「おばあちゃん」が時代の流れで呼び名が変わることも
「おじいちゃん」「おばあちゃん」が「じぃじ」「ばぁば」になったことに対して、違和感がある方は一定数いるかもしれませんが、もっと昔の人なら「おじいちゃん」「おばあちゃん」も違和感があったことでしょう。「おじいさま」「おばあさま」と呼んでいた時代があったことも考えると、祖父母と子どもの距離が近い時代になってきたのかもしれません。
発音のしやすさもカギとなる
子どもにたくさん発語させたい、たくさんの言葉を話させたいと思っている保護者の方はたくさんいます。「じいじ」「ばあば」という言葉は、幼児でも発することが可能な言葉です。そのため、「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ぶよりも先に、そういった呼び方を覚えさせたいという思いもあるのでしょう。
子どもなりの祖父母の考え方
子どもによっては、曽祖父、曽祖母を「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼び、祖父母を「じぃじ」「ばぁば」と呼ぶなど、知らず知らずのうちに自分で使い分けをしている場合があります。子どもなりにきちんと区別して呼んでいるのは、大人の様子を見て、子どもが何となく感じ取っているのかもしれません。また「東京のばぁば」「愛知のばーちゃん」など、県名をつけて呼ぶこともありますね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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