注射といえば痛くて恐ろしいイメージが強く、大人も子どもも苦手な人がほとんどではないでしょうか。特に子どもは定期的にワクチンを接種する必要があったり、点滴が必要になったり、なかなか避けて通ることは難しいです。お母さんたちの中には、迫りくるワクチンの日程を見て、「また子どもが病院で泣いて暴れて迷惑をかけてしまう・・・」と憂鬱(ゆううつ)になってしまう方も少なくはないでしょう。ここでは、現役小児科看護師が注射嫌いな子どもとの関わり方について、いくつかお話させていただきたいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね!
注射が苦手な子どもには心の準備が必要です!
インフルエンザのワクチンなどでよく見られる光景なのですが、自宅で子どもにこれから注射をしに行くことを伝えると「嫌だ!」と拒否されるのが面倒なので、病院に着いてから本人に「今日は注射をするよ」と伝えるお母さんたちがいます。しかしこの方法だと本人も急なことで驚き、恐怖で泣き出してしまったり、暴れて診察室から脱走してしまったりすることも少なくありません。
注射は大人が思っている以上に子どもにとっては恐ろしく、怖いものです。急にいわれたからといって「はいどうぞ」という気持ちの切り替えにはなりません。特にワクチンなどの計画的な注射の場合には、病院に行く前に本人に伝えておくことで、実際に注射を打つときの恐怖心を半減させることができます。それではどのような伝え方で子どもに注射のことを話したらよいのか少し具体的に考えてみましょう!
注射が苦手な子どもにはじっくり時間をかけて説明する
これまでに注射の経験があり、注射の痛みや恐怖を分かっている子どもの場合には、早くて1カ月前から本人へ予告しても良いと思います。なぜ注射をしなくてはいけないのかを伝え、恐怖心を膨らませないように
「悪い病気にかからないために注射をするのよ」
「お母さんも一緒に病院に行くから怖がらなくて良いんだよ」
など子どもにわかりやすい言葉で、注射をするその日まで毎日優しく言い聞かせます。
最初は怖がっていても、毎日お母さんから話を聴くことでだんだん受け入れられるようになっていきます。また、赤ちゃんの頃の注射の記憶がなく、物心ついてから初めての注射をする子どもの場合でも遅くとも1週間前ぐらいに予告をしてあげることをおすすめします。
「注射は痛くない」はウソ!「痛いけど頑張ろうね」と伝える
子どもが怖がらない様にと、「全然痛くないよ!大丈夫!」とついってしまいがちですが、看護師から見るとこれは良くないです。実際、注射は痛いですし、もしたまたま痛くない部分に刺さってもそれは偶然であって、絶対に痛くないという保証はできません。
痛くないと聞いてすごく痛かった場合、「お母さんにうそをつかれた」と信頼関係も崩れてしまうこともあります。その結果、次に注射をする時には「絶対にやりたくない!」と強く拒否されることになってしまいます。注射は皮膚に針を刺す処置なので痛いのはしょうがありません、「痛くて泣いちゃうかもしれないけれど、すぐに終わるから頑張ろうね、大人になったら我慢できるようになるよ!」と励ましてあげましょう。
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30代後半の看護師。整形外科、消化器内科を経て現在は小児科クリニックで管理職を担う。プライベートでは夫と長女(4歳)、次女(0歳)を家族に持つワーキングママ。子育てポリシーは「他人と比べない」こと。正解のない育児に日々、奮闘しながら親も子どもと一緒に成長していきたいと考えている。看護師の経験を活かした医療系の記事を担当。
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