男性の育児参加支援が今後の課題
従来に比べると子育て支援が充実している企業は増加傾向にありますし、女性の育児休暇はめずらしいものではなくなってきています。しかし、男性の育児休暇・育児参加については、十分に社会に浸透しているとはいえません。最後に男性の育児参加についても、考えてみましょう。
男性の育児参加は大いに必要となる
多くの企業が、育児支援に力を入れつつあるのは事実ですが、男性が企業の育児支援を利用して育児に参加するのは、まれなことです。そのため、小さな子どもがいても男性はそれまでと同様に働くことが求められ、共働きで子育てをしていても、女性側に負担が大きくなっています。
しかし、子どもは父親・母親両方の子どもなのですから、育児は母親だけでするものではなく両親がそろって行うという意識が大切です。たとえ母親が専業主婦だとしても、男性側が全く育児に参加しないというのは考えもの。共働き家庭ならなおさら、男性の育児参加は必要不可欠になるでしょう。
若い世代の男性は育児参加の意識が高め
少し前の世代に比べると、20代・30代の男性は育児参加に対する意識が高い傾向にあるようです。これは従来よりも共働き家庭が増えていることが関係しているからかもしれません。女性に対する育児支援が一般的になりつつあるため、子どものいる女性もパートタイムではなくフルタイムで働きやすくなったことも、男性の育児参加に対する意識向上に影響しているのでしょう。
ただ、社会全体でみれば、男性に対する子育て支援はまだまだ浸透しておらず、制度としては存在していても、精神的な面で子育て支援を利用しづらい点が問題だといえそうです。
今後の社会的な育児に対する意識向上に期待
男性が育児休暇などを利用しづらいのは、十分にそれが浸透していないこと、そして「育児休暇を取るのは迷惑だ」という意識があるからではないでしょうか?かつては、妊娠した女性に対しても、そういった意識は存在していました。企業によっては、まだそういう風潮がある場合もあるかもしれませんが、減少傾向にあることはたしかです。育児をストレスが少なく行うためには、男性がもっと育児に参加するという姿勢が浸透していくことが期待されます。
「育児休暇を取るのは迷惑」という意識がなくなれば、男性も育児がしやすくなりますし、企業は企業で欠員が出ても仕事がまわるように、効率化を目指すようになるでしょう。それが社員にとって働きやすい環境になり、企業の成長にもつながっていくといえます。
おわりに
以前は、女性であっても取りづらかった育児休暇が、当たり前のように取れる企業が増えていくのは喜ばしいことです。今後もどんどんそのような企業が増加していくことを期待したいですね。併せて、男性の育児参加支援も当たり前になれば、男女ともに仕事も子育ても頑張れる世の中になっていくのではないでしょうか?
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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