「もう一人子どもが欲しい」と思っていても、実行に移せない夫婦がいます。きょうだいを増やせない大きな理由は、年収や仕事との両立・・・。年収200万~400万の世帯はもちろん、年収800万以上あっても、二人目、三人目の子どもを諦める人がいるそうです。「高所得層なのにどうして?」と一見ふに落ちない話ですが、教育費の問題など複数の理由があるようです。きょうだいを増やせない要因を具体的に見ていきましょう。
年収800万でも!二人目は「難しい」が約3割
少子化の時代。子育て中のママなら「もう一人産まないの?」と、周囲から聞かれることが多いですよね。もう一人子どもが欲しい、子どものきょうだいを増やしてあげたい…と思っても簡単にはいかないのが現実。すでに子どもがいるママ・パパは、育児の負担をシビアにとらえてしまいますよね。お金のことや仕事のことなど、考えることは山積みです。
もっと産みたいけど「難しい」が約3割
株式会社ベネッセホールディングス2018年6月に発表した調査があります。これによると、「子どもがもっと欲しいが難しい」と回答した人が、子ども一人のママで28・6%、二人のママで42・2%という結果でした。これだけ多くの女性がきょうだいを増やしたくても増やせない、と感じているとは、決して無視できない数字です。
ちなみに、国がまとめた2015年の調査もあります。「理想の子ども数」は2・32人である一方、「平均予定子ども数」は2・05人。調査開始の1977年からすべての年で、理想と現実(予定)のかい離が見られます。「理想は理想。うちは今いる子どもだけでいいや」という気持ちのママ・パパも多いことでしょう。
理由トップは「教育費」!年収別では?
前述の調査できょうだいを増やしたいけど難しい、と回答した人に理由を聞いたところ「子育てや教育にお金がかかるから」という回答が81・4%。2位の「身体的な負担(49・9%)」を大きく引き離しています。回答者の世帯年収はというと、年収400万未満の世帯はもちろん、年収800万以上の世帯でも68・2%が経済的負担を理由にあげています。
ちなみに厚生労働省によると、2016年時点で、子持ち世帯の平均所得金額は707.8万円という結果でした。年収が平均以下の世帯ならまだしも、800万以上の家庭でもきょうだいを増やせないのはなぜでしょうか。
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子どもを増やせない理由トップ「お金」
子どもを増やせない一番の原因である、お金の問題について詳しく見ていきましょう。子どもにかける費用の中でも、教育費は決して見過ごせません。その負担は年々増えているといわれています。データとともにご解説します。
習いごと代、塾代…年々増える教育費
ソニー生命が習いごと代・塾代の平均を調べたところ、2016年は月額¥10240でしたが、2018年は¥14260とのことでした。たった2年で学校外の教育費が1.4倍増という結果です。
習いごとや塾代が増える要因として、いまの学歴社会が考えられます。夫婦が子どもに受けさせたい教育を調べたところ(2015年時点)、「大学以上」という回答が大多数でした。男の子の親では7割以上、女の子でも6割近くが大学に進学させたいとのことです。しかし、23年前(1992年)は娘を大学に入れたい割合は34・3%。娘を大学に入れたいと思っている親が年々増えているのです。いまの時代、子どもが男の子であっても女の子であっても、教育費の負担は計りしれませんね。
人それぞれ…そうはいっても大切な教育
子どもの進路を考えたら、塾や習いごとにも通わせたい。教育費が家計に大きくのしかかります。私立学校ともなれば、さらに負担はアップ。ママ・パパはため息が出てしまうかもしれませんね。
内閣府からは「親が高学歴であるほど子どもにかける教育費が高くなり、子どもの数も少なくなる」という報告があります。比較的高収入の家庭でも子どもを増やせない訳は、「子どもの教育にはしっかりお金をかけたい」「今いる子どもに全力を注ぎたい」というママ・パパの気持ちがあるのかもしれません。
ただし、高所得・高学歴と一口にいっても価値観はさまざま。決してひとくくりにはできない理由があるのです。
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30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
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