会社が重視する三つの理由
2016年におこなわれた転勤についての調査結果によれば、国内転勤が打診されるのは、2週間前~1カ月前がもっとも多くなっています。この短い期間で、家族は単身赴任か、家族で引っ越しかを選ばなくてはならないのです。企業は、どのような理由で転勤を命じるのでしょうか。また、どのような理由があれば、転勤を断ることができるのでしょう。
転勤理由は「人材育成・適材適所・活性化」
企業が転勤を命じる理由は「人材育成」がもっとも多くなっています。さまざまな場所で経験を積むことで、企業人としてスキルアップさせ、将来の会社を担う人材を育てようというのが、転勤の狙いです。次いで多いのは「適材適所」の考え方です。お金をかけて採用した人材は、企業にとって大切な資源です。力を発揮できない部署ではなく、環境や職種を変えて人を活用するための転勤命令です。また、元気のない支店へ若くやる気のある人材を派遣するなど、会社の活性化を促すという狙いもあります。転勤を命じられるということは、何かしら期待されているという証拠でもあるのです。
「介護・病気・出産」は要配慮
昭和の時代、企業の転勤命令はほぼ絶対でした。転勤を断ることは、出世街道から外れることだとみなされた時代もあります。しかし、世の中が変化したことや、子育て世代を中心に、ワークライフバランスを見直そうという動きが出てきたことで、転勤を断る人も出てきています。会社としても、無理な辞令は配転命令権の濫用にあたる可能性があり、三つの理由があればいくらか配慮してもらえるようです。その理由は、「親の介護・本人の病気・配偶者の出産・育児」です。実際、このような事情があれば、転勤命令は断らざるを得ない状況の家庭が多いでしょう。
おわりに
高度成長期には当たり前だった転勤、そして家族の引っ越しという働き方は、誰もができるわけではありません。家族の事情を考えて、単身赴任を選ぶパパもたくさんいます。ママにとっては、自分のキャリア形成にも影響がある大事な選択です。もし転勤の辞令が出た場合には家族、子ども、両親など今何を優先すべきかを考慮してベストな決断をしましょう。その上で単身赴任を選択したならばマイナスなことばかり考えず、なにごとも前向きにとらえてください。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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