育休は、育児に専念するための期間です。しかし収入が減ってしまう育休中に少しでも何か仕事がしたいと考える人は多いことでしょう。今回は、育休中のバイトはありなのか、またいくらまでなら稼いでもいいのかについて、詳しく解説します。
育休中でもバイトをする事は出来るの?
育休中は、育児休業給付金を受給しているので、バイトをしていいのか悩みますよね。しかし、育休中でもバイトをすることは可能です。
ここでは、主に3つの項目に分けて、その詳細を説明していきたいと思います。
育休中でもバイトは出来るが稼ぐ金額に注意
育休中でもバイトをすること自体は問題ありませんが、稼ぐ金額に注意が必要です。
育休中のバイトでは、育児休業給付金とバイト代の合計が、育休前の額面給与の8割になるまでしか稼ぐ事が出来ません。育休前の額面給与の8割以上稼いでしまうと、稼いだ金額に応じて育児休業給付金が減額されるため、働き損という形になってしまいます。
このような事から、育児休業給付金を受け取っている期間中は、バイトをする事は可能でも思ったほど稼ぐ事は出来ないので、覚えておくようにしましょう。
会社によっては解雇の対象になる可能性があるので注意
会社によっては、育休中のバイトは解雇の対象になる可能性があります。
日本の制度的には、育休中のバイトは可能ですが、会社が副業OKかどうかは会社によって異なるからです。
万が一、副業禁止の会社の場合は、育休中にバイトしていた事がバレてしまうと、就業規則違反として懲戒解雇処分を受ける可能性があります。また、懲戒解雇まではなくとも、減給や降格などの処分を受けることもあるでしょう。副業禁止の会社の場合は、何らかの処分を受ける可能性が高いので注意してくださいね。
住民税は自分で納付すればバレにくい
育休中にバイトをする場合、住民税は自分で納付すればバレにくいと言われています。これは、多少裏技的な要素が含まれてしまいますが、家庭の事情などで副業禁止の会社に勤めていてもバイトをしたいという場合は、確定申告の際に翌年の住民税を「普通徴収」にして、自分で納めるという方法があるのです。
住民税は、基本的に「特別徴収」といって会社が代わりに払っていますが、バイトによって所得が増えると住民税の額も変わり、会社にバレてしまうことがあります。そのため、どうしてもバイトで収入を得たい場合は、このような裏技もあるので、参考程度に覚えておくと良いでしょう。
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育休中にバイトをする時の条件とは?
育休中にバイトが出来ると、家計の助けになるため安心ですよね。しかし、育休中にバイトをする場合は、様々な条件をクリアしている事が前提になります。育休中にバイトをしようと思っている人は、参考にしてみてくださいね。
会社が副業を許可していること
上記にもお伝えしましたが、副業を許可していない会社で育休中にバイトをした場合は、懲戒処分を受ける可能性があります。そのため、まずは会社が副業を許可しているかどうかを確認する事が大切です。会社によっては、育休中に臨時で働くことが出来る「半育休制度」を導入しているところもあります。
このように、会社によって副業に関する規定や制度が大きく異なるので、育休中にバイトを検討する際は、必ず就業規則を確認するようにしましょう。
1カ月に10日以内or80時間以内で働くこと
2つ目の条件は、1カ月に10日以内or80時間以内で働くという事です。育休中に、育児休業給付金を受給した状態でバイトをする場合は、「臨時的かつ一時的」なものというのが前提となります。そのため
- 1カ月の就労日数が10日以内であること。
- 1カ月の就労時間が80時間以内であること。
- 「週〇回」「毎週〇曜日」という定期的な就労ではないこと。
などという具体的な条件が設けられています。この条件を満たしていないと、育児休業給付金の支給が止まる可能性があるので注意してください。
給付金とバイト代を育休前の給料の8割以下に抑える
3つ目の条件は、給付金とバイト代の合計を育休前の給料の8割以下に抑えるという事です。こちらも先ほど解説しましたが、重要なのでもう一度おさらいしておきましょう。
育児休業給付金の金額というのは、育休取得から半年間は給料の67%、それ以降は50%と決められています。そして育休中のバイトで稼げる金額は、給付金とバイト代を合わせた金額が、育休前の額面給与の8割を下回っている事が条件となるので、育休中のバイトで稼ぐ事が出来る金額は、最大でも育休取得から半年間は給料の13%まで、それ以降は30%までという事になるのです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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