子どもに親のことをなんと呼ばせようか、と考えている親御さんは少なくないようです。まわりを見回すと圧倒的に「パパ、ママ」と呼んでいるお子さんが多いように思います。今回は、この「パパ」「ママ」という呼び方についてさまざまな角度から考えてみたいと思います。
「パパ」「ママ」の一番の理由は呼びやすさ
子どもに「パパ」「ママ」と呼ばせる人の多くが、その理由として「呼びやすそうだから」ということを挙げています。実際、赤ちゃんが両親のことを「パパ」「ママ」と呼ぶ理由は人間の最初の言語および哺乳(ほにゅう)行動が基になっていると言われており、言語学的背景から見ても、赤ちゃんが「パパ」「ママ」というのは自然なことなのです。
「パパ」「ママ」は赤ちゃんが発声しやすい音
赤ちゃんが最も簡単に発声できる音は、「あー」「うー」といった口を開いて出す母音であり、その後、「まー」「ばー」「ぱー」「ぶー」といった子音を交えた音を発声するようになります。「ママ」や「パパ」はこの「まー」や「ぱー」の発声に近い音ですから、赤ちゃんにとっては最初に発声しやすい単語だと言うわけです。特に「ママ」は、おっぱいを口に含んだときと同じ口の形で発声できますから、赤ちゃんにとっては最も簡単な発音となるわけですね。
赤ちゃんが「ママ」と呼ぶのは全世界共通
ロシアの言語学者ローマン・ヤーコブソン氏によると、生後半年ぐらいから発生する「まーまー」という呼びかけは、世界のほとんどの言語において存在しているということです。実際、世界の主要言語における親の呼び方を調べてみると、ダディ・マミー(英語圏)、パピ・マミ(スペイン)、パパ・ママン(フランス)、パーパ・マンマ(イタリア)、アッパ・オンマ(韓国)というように、どの国でも「ママ」だけでなく「パパ」にも通じる呼び方が採用されています。赤ちゃんが発声しやすい音が呼び名につながるというのは世界共通のようですね。
早い段階からコミュニケーションが取れるという利点も
赤ちゃんが偶然にでも「ぱー」「まー」と言うと、親は自分たちのことを呼んでくれたとうれしくなって笑顔になりますよね。そんな笑顔を見て、赤ちゃんも喜んでこの言葉を使うようになります。このように、発音しやすい「パパママ」で呼ばせることによって、小さいうちから両親とコミュニケーションを取ることができ、これは赤ちゃんの心の発達にとてもいい影響を与えると言われています。
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「パパ」「ママ」呼びになるその他の理由
呼びやすいからという理由以外にも、それが普通だと思っていたから、「パパ」「ママ」と呼ばれてみたかったから、など、子どもに「パパ」「ママ」と呼ばせる理由はいくつかあるようです。ここではそうした「パパ」「ママ」呼びを採用するさまざまな意見をご紹介します。
自分が「パパ」「ママ」という言葉を使っていたから
単純に、自分も子どもの頃は(もしくは大人になってからも)両親のことを「パパ」「ママ」と呼んでいたから、という人は多いです。それが普通だったため、自分に赤ちゃんができると違和感なく自然に「パパ」「ママ」という言葉を使うようになるわけですね。特に若い世代の人たちには「パパ」「ママ」呼びが定着してきているのかもしれません。
「パパ」「ママ」という言葉への憧れ
一方、自分は昔から「お父さん」「お母さん」と呼んでいた分、「パパ」「ママ」と呼ばれることに憧れがあり、自分の子どもには「パパ」「ママ」と呼ばせるという人も少なからずいるようです。「パパ」「ママ」の方が子どもらしくてかわいく聞こえるとか、響きがいい、仲のよい親子のように感じられるといった意見もあります。
子どもにとって分かりやすいように
自分の親(子どもにとってのおじいちゃんおばあちゃん)のことを「お父さん」「お母さんと」呼んでいるため、子どもが紛らわしくないように、自分たちのことは「パパ」「ママ」と呼ばせているという意見も聞かれます。今は、幼稚園や街中で話しかけられるときでも「パパは?」「ママは?」と聞かれることが多いですから、呼び方を統一しておく方が子どもに分かりやすいというのはあるかもしれませんね。
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小学生と2歳の息子二人に囲まれ、怒ったり笑ったりを繰り返しながら毎日賑やかに過ごしています。
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