ドリームキラーな親にならないために
「子どもの夢を壊さない」というのは、意外と難しいことです。
厳しい社会で忍耐を続けながら、家族のために仕事や家事などと戦っていると「現実を理解させて、将来は子どもに楽をさせたい」と親は考えてしまうもの。
では、ドリームキラーにならないためには、どの言動に注意をすれば良いのでしょうか?
時代に合わせた情報を集め、考え方を変える
流行や注目のエンタメ、おすすめアイテムなどは、目まぐるしい速さで移り変わっていきます。それと同様に、時代とともに考え方や価値観も変化していくものです。
例えば、親世代が10代のときに最先端だったことは、現在の10代からすれば「非効率でアナログなやり方」だと感じてしまうこともあるでしょう。そのため、時代に合った情報をインプットしながら「現代の思考を交えながら意見を考える」ことを、常に意識しておくことをおすすめします。
少し難しいかもしれませんが、親がその努力をすることで「ママがそのように言ってくれるなら、私も頑張ってみる」と、子どもが目を輝かせて喜ぶ未来が近づくかもしれません。
自分の物差しで計ることをやめる
「自分の物差し」というのは、長年の努力や悲しみ、怒りや喜びなどさまざまな要因から作られています。
だからこそ、自分の物差しに対して絶対的な自信がある人もいるでしょう。しかし、この自分の物差しは子どもだけではなく、他人と関わる上では役に立たない場合もあります。
自分の物差しだけを使っても、他人の心の内側の熱い思いや深い傷などを確認することはできません。
また、言葉で聞くよりも実際に経験した人にしか分からない苦しみも存在します。
そのため、子どものためを思って言った「自分の物差しアドバイス」で、子どもが酷く傷ついてしまうこともあるでしょう。
まずは、自分の物差しは自分に対してだけ使うようにし、家族などには使わないように気を付けましょう。
失敗=悪という考え方を変える
「失敗をすると辛い思いをする」というのは、多くの人が感じていることです。
しかし、その失敗を経験したことで、どのような学びを得たかを振り返ってみましょう。「失敗したからこそ、次は気を付けるようになった」など、何かしらのメリットを得ているはずです。
この失敗を経験しないまま大人になってしまうと、小さな失敗で立ち直れないほど傷つく大人になってしまう可能性があります。「子どもに失敗させることも大切」だという考え方に変え、「失敗してもママとパパが守ってあげるから、やってみよう!」と伝えられると理想的です。
おわりに
子どもが夢を叶えることは理想的ですが、実際に夢を叶えることができなかったとしても、それまでの努力はきっと「輝くスキル」となっているはずです。
例えば、医者になるために必死に勉強をしていたのなら、数学などの基礎知識が備わっているおかげで「別の素敵な夢」も選びやすくなります。
「夢を追いかけて努力して良かった」と子どもが思えるよう、親はドリームキラーにならずに、応援することが大切です。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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