モラハラ旦那が子どもに与える影響とは
モラハラ旦那は妻に悪影響を与えるのはもちろんのこと、それを見ている子どもにも間接的に大きな影響を与えることとなります。モラハラの場面に子どもが直面することは、子ども自身の精神面にもマイナスな刺激を与え、その成長過程にもゆがみを生じさせる可能性があるのです。
他人を傷つけることに罪悪感がなくなる
幼い頃から、父親の暴言を始めとするモラハラを見聞きしている子どもは、自分が人を無視したり、暴言を言ったりすることに、抵抗がない子どもになってしまうことがあります。そのため、友人などに父親と同じような態度を取ってしまうこともあります。それにより、人間関係がこじれ、頻繁に担任教師に注意をされる機会が増えることになるかもしれません。しかし、本人は自覚がなくこれらの行動を取っている場合も多いため、再度同じようなことを繰り返し、他人と良好な人間関係を築くことが困難となるケースがあります。
キレやすい子どもに育つことが多い
モラハラが行われている家庭に育つことで、子どもにとって「この環境が当たり前」という誤った意識を持ってしまうことがあります。怒鳴るなどの行動でしか気持ちを表現できない父親を見ていたことで、子ども自身も、ちょっとしたことでキレやすい性格となる傾向にあります。また、穏やかな環境で育っていないために、精神的不安定にもなりがちです。少しでも気に食わないことがあると、キレることで物事を解決しようとします。これは父親のモラハラ態度をそのまま見本にしてしまっているからです。
優等生すぎる子どもになることも
父親が母親にモラハラをしている姿を見て育つと、「自分がしっかりしなければならない」という意識や「自分が良い子ではないから、両親がけんかをしてしまうのだ」という考え方になりがちです。そのため、優等生すぎる子どもになることもあります。一見、ポジティブなイメージの優等生ですが、その裏では、子どもが何もかもを我慢しているということにもつながります。また、我慢をしている分だけ、ストレスをためやすい大人になってしまうこともあるでしょう。
おわりに
モラハラは、夫婦間だけではなく、子どもにも悪影響を与えてしまいます。モラハラ旦那は、モラハラを自覚していないケースが大半を占めるといわれています。そのため、一瞬でも「これは、モラハラではないか?」と感じたら、妻は子どもを守るために、まず第三者に相談してみるという姿勢も大切です。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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