これまでは一家に一台必須だったテレビですが、最近では「テレビ離れ」という言葉もちらほら聞こえるようになってきました。実際に、昔に比べてテレビの視聴率が低迷している話も多々耳にします。しかし、子どもにとってテレビがない生活は成り立つのでしょうか?今回は、テレビなしの生活のメリットとデメリットなどについて、お話します。
テレビはもういらない?テレビがない生活のメリット
テレビがある生活が浸透していますが、実際にテレビがない状態でも生活はできるものでしょうか?子どもが友達との話題に乗り遅れる可能性がある、ニュースを見ることができず、勉強にならないなどというだけでもさまざまなデメリットが考えられますよね。しかし、子どもにとってテレビのない生活は、決してデメリットなものだけではありません。生活の中にテレビがないことによって、以下のようなメリットも増えてくるのです。
自然と家族間での会話が増える
子どもが学校から帰ると、何となくテレビの電源をつけている光景を目にすることはありませんか?子どもがテレビを見ることが悪いとはもちろんいいませんが、テレビにばかり集中してしまい、家族間での会話が減ってしまうパターンも多く見られます。せっかく家族がそろっているのに、テレビにばかりに気が行ってしまってはもったいないですよね。時にはテレビをつけず、今日あった出来事などを家族全員で共有してみてはいかがでしょうか?お互いに対する理解度が増すことで、食卓にも自然と笑顔が咲くに違いありません。
気になることを自分で調べる力がつく
人というのは案外耳に入ってくる情報だけで、満足をしてしまうものです。テレビで知った情報がすべてだと思っている子どもも、数多くいるのではないでしょうか。しかし、あらゆる物事は何となく耳に入れるよりも、子どもが自分自身で調べてこそ、より明確に理解することができるといわれています。社会情勢から日常生活に役立つ豆知識まで、さまざまな事柄を自分で調べることによって、子どもの教養は今よりも一層深まることでしょう。
情報の取捨選択ができるようになる
テレビをつけていると、それだけでさまざまな情報を得ることができます。しかしその反面で、大人が子どもに知らせたくないことや、影響が悪い物事まで吸収してしまう可能性もないとは言い切れません。ところが、テレビがない生活を送っていれば、頭に入れる情報を子ども自身で選べるため、情報を取捨選択することができるようになります。余計な事柄に頭を使わなくて済む分、気付かないうちに蓄積されてきた小さなストレスなども解消されていくことでしょう。そのため、子どもの生活はより豊かになるはずです。
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テレビを見ないことによって起こる不都合なことは?
テレビがない生活によるメリットをお話しいたしましたが、テレビがないというのは果たして本当に良いことばかりなのでしょうか?この項目では、テレビがないことによって考えられる不都合なことをご紹介します。
芸能情報に疎くなることもある
テレビでは、子どもが大好きな芸能人やアイドルに関するニュースが取り沙汰されていますが、テレビがないことによって、そういう情報を知る機会が減る可能性が生まれてきます。今までは当たり前のように耳に入ってきた情報も、テレビを見ないことによって知ることができなくなってしまうので、不満に感じる子どももいるかもしれません。ただ現代は、昔と異なり、子どももがスマートフォンやパソコンを所持しているケースも多々あります。ワンクリックで好きな芸能人などのサイトを開くこともできるので、テレビがなくとも問題なく生活をすることは可能だといえるでしょう。
世間の話題に乗れなくなる寂しさが出る
学校で友達と話すときに、前日に放送されていたテレビの話があがることは珍しくはありませんよね。話題が「昨日のあのバラエティー番組がこうだった」というようなものになったとき、テレビを見ていないことで周囲から取り残されてしまうパターンもあるようです。子どもは流行に敏感ですので、寂しい思いをすることがあるかもしれません。しかし、子ども同士の会話には流動性があるので、ずっとテレビ番組の話題だけで過ごすことは少ないといえます。
部屋が静かになってしまう点も
特に何をするでもないけれど、取りあえずテレビをつけているという子どもにとっては、テレビの音がない生活は、思いの外静かに感じられるかもしれません。テレビがすでに生活音の一部となっている場合には、その静けさによって心細さを感じることもあるでしょう。しかし、テレビがない分、お気に入りの音楽などを流すことにより、楽しい気分を保つことはも可能です。一工夫した生活に身を置くことで、日常生活が変化するのではないでしょうか?
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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