たくさん歩いて健やかな子どもを育む「歩育」。そんな「歩育」の考えを日頃の育児に取り入れみませんか?日々歩いて、五感で学ぶ。歩くことが子どもの新たな発見や経験につながります。
本記事では歩育の基礎知識とともに、おすすめの実践法をご紹介。親子で体力アップを目指したい、子どもにさまざまな体験をさせてあげたい、とお考えの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
子どもの生きる力を育てる「歩育」
我が子には健康であってほしい。さまざまな体験を通じて感性を育みたい。人とのコミュニケーションを大切にしてほしい。小さな子どもを持つママパパなら、我が子の成長に大きな関心や願いがあることでしょう。そんなママパパにおすすめしたいのが「歩育」です。読んで字のごとく子どもを「歩いて育む」教育法。その内容とはどのようなものでしょうか。
歩育とは生きる力を育む基礎教育
ムーンスターと日本ウオーキング協会の村山会長の監修の下でまとめた資料によると、歩育は次のように説明されています。
『歩育とは 「歩いて、自然や社会に触れ、五感を開き体で学ぶ直接体験を通じて、子供たちの豊かな心、生きる力を育てる」基礎教育』
つまり、歩育とは体験を重視する教育法です。歩くことで自然に触れたり、地域の方とつながりを持ったりと、まさに”五感を開く”体験がもたらされます。普段の生活で「歩く」という行為を意識する機会は少ないですが、その効果を知れば見直すことも多いでしょう。
歩育と一緒に押さえておきたい「足育」
歩育に関連して「足育」という言葉もママパパの関心を集めています。健康は足からとも言われますよね。日本足育プロジェクト協会は、足育を以下のように定義しています。
『足の大切さを知り、足を健康に育てることを、家庭を中心とした日常生活の習慣、特に子育てに取り入れ、実践すること』
足育はどちらかというと、足の機能面に注目した体力作り的な側面が大きいようです。そして歩育にも足育にも共通する価値観は、歩くことはいいことづくめ、ということ!小さな子どもが社会と出会い、新たな出来事を経験するために。歩く、という行為の持つ役割は多大です。
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「歩く」ってすごい!歩育の効果
産まれて間もない抱っこの時期を経て、お座り、ハイハイ、あんよ…。我が子が初めて歩けるようになった時は、感動的な瞬間ですよね。そしてこの時から益々、目が離せない時期に突入します。個人差はありますが、1歳後半~2歳台は「歩きたい!」という意欲が一番強い時期かもしれません。お散歩をせがんでくる子も多いでしょう。
子どもとのお出かけが大好きなママパパ、あるいは「正直ちょっと疲れる」という方も、歩育の効果に着目してみませんか?
歩育の効果(1)身体の成長に欠かせない
子どものつかまり立ち、つたい歩き、歩行が完成するまでの時期は重要な成長局面といわれています。月齢では1歳のお誕生日を迎える前後。大人は「いつ歩きだすのか」という時期的な所に関心がいきがちです。しかし、成長が早い子にもゆっくりな子にも大切なのは、身体を動かす機会を作ってあげることです。
たくさん歩くことで足に筋肉がつき、歩き方もしっかりとしてきます。
さらに体力もつくので、歩ける距離もどんどん伸びていくでしょう。
歩育の効果(2)感覚を養い感性豊かに
歩行が完成し、日々元気に歩き回るようになった頃、成長するのは身体機能だけではありません。お散歩に連れ出せば道端の木々や花に興味を示したり、乗り物を見かけて興奮したり。そんな外での体験は子どもの感性を育むのに欠かせません。
目にする物を指さして「あれは何?」と示す姿もあるでしょう。そんなやりとりから自然に言葉も覚えていきます。歩育は心の成長にも大きな影響を与えてくれるでしょう。
歩育の効果(3)人や地域とのつながり
晴れた日のお散歩タイム。通りすがりの方に「可愛いね」と声をかけられて笑顔を返す子もいるでしょう。顔見知りのご近所さんに挨拶するのも、教えてすぐに出来ることではありません。歩育の時間はコミュニケーションを学ぶ絶好の機会でもあります。近所の人の顔を覚える・覚えてもらうことは、防犯の面でも大切なことです。
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30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
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