住んでいる場所の「学区」にとらわれず、自分の好きな学校へ進学できる「学校選択制」。日本では1998年度に三重県紀宝町から始まり、今では東京の区部においても実施されています。しかし、自由に学校が選べるとはいえ、良い点ばかりではありません。ここでは、「学校選択制」のメリットとデメリットについてまとめてみました。
公立小中学校の「学校選択制」とは
通常、公立の小中学校へ入学する際には、住所のある学区の学校へ通うことになります。しかし、「学校選択制」を導入している自治体では、条件を満たせば他の地域にある学校へ通うことが出来ます。そんな「学校選択制」とは、どういった制度なのでしょうか。
5つある「学校選択制」のタイプ
「学校選択制」には、5つのタイプがあります。
自由選択制 | 市町村内の全ての学校から選べる。 |
ブロック選択制 | 市町村内をブロックに分け、ブロック内の学校から選べる。 |
隣接区域選択制 | 従来の通学区域に隣接する区域内の学校から選べる。 |
特認校制 | 従来の通学区域は残したままで、 特定の学校について市町村内のどこからでも就学できる。 |
特定地域選択制 | 従来の通学区域は残したままで、 特定の地域に居住する児童に学校選択を認める。 |
また、これらに当てはまらない「その他」の学校選択制を導入している場合もあります。
各自治体の「学校選択制」の実施状況
内閣府の「小・中学校における学校選択制等の実施状況について(平成24年10月1日現在)」によると、全部で1,547ある教育委員会のうち、小学校での「学校選択制」を導入している数は246。そのうち12が廃止を検討しています。また、すでに廃止をした教育委員会もありました。実施数が多いのは東京都と鹿児島県、北海道です。その中でも、都市である東京都では「隣接区域選択制」の割合が多く、自然豊かな鹿児島県と北海道では「特認校制」が多いなど、地域の特長によって多く導入されている制度が違います。
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「学校選択制」のメリット
「学校選択制」を利用すると、子どもや親が自分たちで気に入った学校を選ぶことが出来るというところが、一番のメリットです。では、自由に学校が選べることにより、具体的にはどのような良い点があるのでしょうか。
特色のある学校の教育を受けることができる
「少人数制で学べる」「自然豊かな学校でのびのびと過ごせる」など、公立校でありながらも、特色のある学校に通うことが出来ます。子どもの個性に合わせた学校選びが出来るのは、大きなメリットです。また、在籍している小学校でいじめにあっているため、校区外の中学校へ進学したいなど、子どもが抱えている問題を解決するために利用されることもあります。学校選択制を導入している市区町村にお住まいであれば、ぜひ一度、どのような学校があるのかを調べてみてください。新しい発見があるかもしれませんよ。
費用面を気にせずに好きな学校に通える
公立学校の教育は画一的で特色のある学校へ通うには、私立や国立の学校を受験しなければいけないと考えられていました。しかし、学校選択制の登場で、さまざまな公立小学校が、その学校ならではの教育方法を打ち出しています。また、私立の学校とは違い学費がかかりません。学校への費用を抑えることで、習い事や塾などを充実させることもできます。大学までの学費を考えると、小中学校は公立で出費を抑えたいという親御さんにはぴったりの制度です。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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