児童相談所が請け負う仕事
児童相談所には、大きく報道されることがある虐待の問題についての相談や、非行問題についての相談だけではなく、たくさんの業務内容があります。
養護相談
保護者が家出をしてしまったり、長期入院、服役などで家を空けることになったりしてしまった養育困難児についての相談や、捨て子や迷子で自宅がわからない子ども、虐待などの問題についての相談を養護相談といいます。それらに伴って行われる養子縁組に関する相談も児童相談所の仕事です。
保健相談
未熟児や虚弱児、小児ぜんそくなどの子ども特有の疾患を持つお子さんの相談を受け付けています。生まれた子どもが未熟児や虚弱児の場合は、普通の育児での苦労に加えて、さらに気を付けなければならないことが多く、保護者が子どもをどう育てていくのか、どう接していけばよいのかを指導してくれます。
障害相談
肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、言語発達障害、重症心身障害、知的障害、自閉症などの障害がいある子どもについての相談を受ける事業です。心身の障害を持つ子どもの、各種手帳交付の判定や、福祉サービスの受給についてなど、療育に関する指導を行っています。
非行相談
触法行為を起こした子どもや、虞犯(ぐはん)行為(犯罪につながる行為)を起こした子どもなどについての相談を受け付ける事業です。それらの子どもの施設入所についての指導や、退所後の指導、また、社会適応、自立につなげるための指導などをします。
育成相談
子どもの性格についてや、不登校、育児やしつけの相談など、保護者が子どもを育てていく上でのさまざまな問題についての相談を受け付けています。子育てが辛いとき、どうしたらいいかわからないとき、これ以上子どもと一緒に過ごすのがしんどいと思ってしまったときなど、子育てに行き詰まってしまったときの相談に乗ってくれます。
おわりに
児童相談所が報道に上がるのは、大きな問題があったときだけ。障害のあるお子さんの保護者が手帳を交付してもらって生活が安定したり、虐待を受けていたお子さんが保護されて安堵(あんど)したりしている、という報道はなされません。子どもの権利を守り、その困り感に寄り添い解決するために設置されたものが児童相談所です。目に見える過激な報道に惑わされず、子どもへの救いの手を差し伸べ続ける児童相談所を応援してください。
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40代前半。15年間の義両親同居のモラハラ生活を経て離婚、現在は15歳の長男と10歳の次男と3人で暮らしています。子どもたちにはそれぞれ特徴のちがう発達障害があります。離婚後、保育士資格を取得し、いかに自立していくかを模索中です。
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