「子どもの能力を伸ばすために、どんな教育を受けさせたら良いのか?」と考える保護者は多いものです。教育方法にはさまざまなものがありますが、世界中で注目を集めている教育方法があります。それが、レッジョ・エミリア教育と呼ばれるものです。今回は、創造性をはじめとしたあらゆる能力が身につくこのレッジョ・エミリア教育について、ご紹介します。
レッジョ・エミリア教育ってどんなもの?
レッジョ・エミリア教育について、詳しく知らないという方もいるかもしれません。そこで、レッジョ・エミリア教育にはどんな特徴があるのか、どのように評価されているのかについてまとめてみました。
レッジョ・エミリアという都市で始まった
レッジョ・エミリア教育とは、イタリアのレッジョ・エミリアという街で行われている教育のことをいいます。第二次世界大戦後、後にレッジョ・エミリア教育の創始者の一人となるローリス・マラグッツィという人物は荒れ果てた街の中でも資金を集め、学校を建てるレッジョ・エミリアの人々の様子に感銘を受け、教育心理学を学び始めました。学位取得後、この街に戻って市と協力しながら幼児教育施設を建てました。現在ではレッジョ・エミリアに50ほどの効率の施設があり、レッジョ・エミリア教育が行われています。
「最も革新的な幼児教育」と評価を受ける
レッジョ・エミリア教育にスポットライトが当たったのは、1991年。ニューズウィーク誌でレッジョ・エミリア教育が「最も革新的な幼児教育」として紹介されました。その後、東京をはじめとして世界各地でレッジョ・エミリアの子ども達の作品が展示され、そのクオリティーの高さが知られるに連れ、レッジョ・エミリア教育への関心もどんどん高まっていき、今でもなお注目されています。
Googleの預かり保育でも採用されている
Googleといえば社員の創造性を重んじ、仕事の仕方やオフィスにいろいろな仕掛けを取り入れていることで有名です。そんなGoogleにもレッジョ・エミリア教育は評価されています。Googleには社員が利用できる預かり保育施設がありますが、そこでレッジョ・エミリア教育が取り入れられているのです。世界のトップを走り、人の才能を最大限に伸ばすことに力を入れている企業に採用されていることは、その教育の質の高さが認められている証拠です。
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レッジョ・エミリア教育では何をしている?
各方面から評価を受けているレッジョ・エミリア教育だからこそ、具体的にどのような教育をしているのか気になりますよね。次に、レッジョ・エミリア教育の内容についてまとめました。普通の学校にはないようなしくみが満載です。
教育専門家と芸術専門家が施設にいる
レッジョ・エミリアの教育施設には、保育者が各クラスについているのはもちろんのこと、ペタゴジスタと呼ばれる教育専門家とアトリエリスタと呼ばれる芸術専門家も指導を行います。保育者とペタゴジスタとアトリエリスタは定期的に集まり、施設の方針を実行していくためにどうすればいいかを話し合います。各専門家がそれぞれ強みを発揮することで、子どもの創造性を高めるサポートをしているのです。
アートに触れる機会が用意されている
レッジョ・エミリア教育を行う施設では、各教室にミニアトリエという空間があり、道具や材料が置かれています。また、ドラムやコンピューターなどもあり、子どもがさまざまな興味を持てるようになっています。他にも、指導者は見えないものを書くようにいったり、アイデアがあるならそれを絵に表すように励ましたりと、日本の美術の授業ではしないような踏み込んだ指導をしています。
グループで学ぶプロジェクト学習を採用
レッジョ・エミリア教育で特徴的なのは、2〜5人ほどのグループで数日〜数ヶ月かけて一つのテーマを掘り下げる「プロジェクト学習」です。扱うテーマは、グループの子ども達によって決められます。個々ではなくグループで活動を行うのは、みんなで議論する機会を持てるようにするためです。年に一度はこのプロジェクト学習に参加するように、すすめられるそうです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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