人気公立小学校に通わせる弊害
引っ越しまでして人気小学校に通わせたとしても、よいことばかりとは限りません。人気の小学校は大規模校になりがちですし、子どもの性格もあります。公立の先生は必ず移動がありますから、常によい先生ばかりが集まるとも限りません。
受験率の高さが子どもの「あそび」を奪う
人気の公立小学校は、総じて受験率が高くなっています。中学受験をする子どもが多いと、塾に行くのも当たり前、勉強するのが当たり前という環境なので、子どもたちがストレスを感じにくくなります。先生も宿題を少な目にするなど配慮してくれる場合もあります。しかし、塾通いが当たり前になると、子どもが十分にあそぶ時間がとれなくなってしまいます。時間を作っても、同じような環境の子どもたちが多いと、一緒にあそぶ仲間もいません。「将来のため」とがんばることで、子ども時代の貴重な体験を奪ってしまうことが心配です。
トラブルも多く学級崩壊の不安も
特に、中学受験率や学力の高さで人気のある学校は、注意が必要です。全員が高い目的意識を持って集まっている私立とは異なり、子どもたちにはさまざまな背景や気持ちがあります。勉強を強制されてストレスをためる子どもが多くなるとクラス内の人間関係のトラブル、学級崩壊の危険も避けられません。タワーマンションや新興住宅地にある学校は、夫婦共働きの家庭も多く、学校との連携も薄くなりがちです。「人気の公立小学校」の人気がなにに由来するものなのか、しっかり確かめる必要があるでしょう。
おわりに
公立小学校は、すべての子どもに平等に教育の権利が与えられる貴重な場所です。人気の公立小学校に「引っ越しをしてでも通わせたい」という気持ちは理解できます。しかし、どのような点で人気なのか、内容についてはしっかり確認して選ぶ必要があります。ただ勉強を教えてくれるだけの環境では、真の学力は身につきません。総合的な教育環境を考慮して、学校選びは慎重に行うべきでしょう。
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