日本とは比較にならない、すさまじい韓国受験戦争のすごさ

韓国の受験戦争
昨年、韓国で話題になったドラマ『SKYキャッスル』を知っていますか?子どもを難関大学へ入学させるためにセレブの妻たちが火花を散らす様子が話題になったドラマです。日本でも時折、韓国の大学入試の様子がバラエティ番組などで紹介されますが、ここ数年は少し状況が変わってきています。ただ韓国の受験戦争のすさまじさは変わっていません。今回は、韓国の入試事情についてご紹介します。

韓国が受験戦争になる理由

韓国の大学
韓国は日本以上の学歴社会といわれているので、大学を出るのは当然の流れ。伝統的に勉強を立身出世の手段と考える文化があり、「よりよい生活を送るには大学を出ているのが必須条件」と考える人が多いのです。韓国の大学進学事情はどのようなものなのでしょうか。

大学進学率約7割!超学歴社会の韓国

韓国の大学進学率は約7割。日本の大学進学率が6割弱、OECD(経済協力開発機構。加盟国は経済的に恵まれた先進国)加盟国平均が6割を少し上回る程度なので、韓国は世界的に見ても大学進学率が高い国といえます。

韓国の大学進学率が急激に上昇したのは1990年代後半のこと。1980年代にはわずか20%台しかなかったのが、進学率を上昇させる政策を取った結果、2000年代には約8割にまで上昇しました。

大学進学率が上昇した背景として、韓国の歴代王朝が中国同様に「科挙」という試験で政府の高級官人を登用してきたことがあります。科挙は知識をたくさん暗記した者が合格する試験です。たくさん知識を蓄えて試験でよい成績を収め、有名大学を卒業することが立身出世につながるという考え方が、日本以上に深く根付いているのです。

芸能人も大卒が多い

韓国では、芸能界でも大学を卒業している人が多く見られます。韓国の有名大学の多くに演劇や映像関連の学科が設置されていることもあり、俳優の多くが大卒。演技や映像制作の専門的な勉強をするために進学するのはもちろんですが、業界内には「学閥」があり、仕事を得るうえで大卒が有利に働くという事情もあります。

ソウルの大学に入らなければ意味がない?

韓国の大学には日本のような偏差値はありませんが、誰もが憧れる「難関校」というのはもちろん存在します。それがドラマのタイトルにもなっている“SKY”と称される3つの難関大学です。韓国では2019年、大学入試制度を批判したケーブルテレビのドラマ「SKYキャッスル」が大反響を呼びました。このタイトルは架空の高級住宅街の名前ですが、SKYはこの3校を指していると思われます。

S=ソウル大学校は1946年創立の国立大学。日本における東大のような存在です。
K=高麗大学校(コリョだいがっこう)とY=延世大学校(ヨンセだいがっこう)は私立大学。どちらも多くの著名人を輩出し、高麗大は早稲田大、延世大は慶応大にたとえられることもある由緒ある大学です。

日本とよく似た状況のように思えますが、韓国の大学には大きな問題点があります。それは「ソウル以外に有名校がない」という点です。SKYはいずれも韓国の首都・ソウルにありますが、ソウル以外にももちろん大学はたくさんあります。しかし、高い給与を得られる有名企業に就職するには、ソウルの大学に入り、ソウルで就職しなければ難しいといわれているのです。

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韓国トップ校は約8割が推薦入試

韓国の高校生
韓国では、毎年1月になると「大学修能試験(スヌン)」とよばれる大学入試の統一試験(日本の大学入試センター試験のようなもの)が行われます。家族挙げて受験生を送り出す様子が日本でもニュースなどで報じられ、韓国の大学受験に対する熱量の高さを示すものとして話題になります。しかし、近年スヌンに合格して大学に入る生徒は、大学の募集人数の2~3割。実は、定員の7、8割はスヌンより前に行われる推薦入試によって埋まるのです。

「白バイで受験会場に送ってもらう」は昔の話

スヌンの試験会場に向かうため、受験生が白バイの後ろにまたがって送ってもらう映像を、日本のバラエティ番組などで見たことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、現在の韓国の大学受験事情は、街を上げてスヌンに協力するような状況とは少し異なるようです。

近年、韓国の大学では推薦入試が重視されていて、平均すると定員の7割は推薦入試で埋まります。SKYも例外ではなく、ソウル大は78.5%、高麗大84.2%、延世大は70.5%が推薦枠となっています。推薦入試が9月に行われ、10月中旬~11月に合格発表が行われた後、残りの枠を埋めるために1月にスヌンが行われるというスケジュールです。

もっとも、推薦とスヌンは併願でき、推薦入試では1人あたり6校まで出願可能です。また、推薦で合格すると、スヌンは受験できません。実際は、推薦とスヌンの両方の準備をする生徒が多いようです。

韓流ドラマでも話題になった学生生活記録簿

推薦入試には「学生部選考」「大学別選考」「特技者選考」という3つの選考方法があり、多くの学生が「学生部選考」という方法で推薦入試を受けます。「学生部選考」は高校3年間の内申書と「学生生活記録簿」、教師による推薦書によって選考が行われ、学科によって面接や論文、実技の試験が加わるものの、スヌンのような各教科の筆記試験はありません。

「学校の成績だけで合格できるなら、楽なもの」と考えがちですが、「学生生活記録簿」がなかなかのクセモノです。学生生活記録簿には、数学オリンピックなどの大会受賞歴や読書活動、ボランティア活動など、学校外の活動が記載されます。

学生生活記録簿を巡っては、親が教授や医者である場合、人脈を使って子どもの実績づくりを行うなど問題になっています。ムン大統領の側近だった大学教授の娘が、学術論文の執筆者に名を連ねていたのです。この背景にあったのが、学生生活記録簿でした。親の地位や権力を利用して、学生生活記録簿に有利な実績を記入できることは、一般の子どもがこの制度で難関校に合格するのが難しいことを示唆しています。

「SKYキャッスル」でも「ポートフォリオ」という表現が何度も出てきますが、これは学生生活記録簿のことを指していると思われます。ドラマの中にも、ソウル大医学部に入った学生のポートフォリオを、受験生の母親たちが見せてほしいと頼むシーンがあります。

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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。

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