保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。 3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。 生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/保育記事監修者プロフィール:伊藤美緒先生
「コーナー保育」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?ここのところ「コーナー保育」に取り組む保育園や幼稚園が増えてきており、保護者がわが子を通わせる園を選ぶ際に、「コーナー保育」をしているかどうかも選択基準のひとつになりつつあるようです。今回はこの「コーナー保育」がどんなものなのかを詳しくみていきましょう。
「コーナー保育」っていったいなに?
「コーナー保育」とは新しい保育システムのことです。子ども自身が「遊びの環境」を選び、遊び方を自由に選び、独創性や創造性を認めて自由に表現することに重点をおいています。自分の個性と能力を引き出す、自由保育の象徴としての役割を果たしています。
「コーナー保育」ってどんなことをするの?
家具や棚である程度仕切られ、それぞれのコーナーの中で年齢の違う子どもたちが誰かの指示を受けることなく、好きな遊びを自由に選び好きなように遊びます。仕切りがあることでより「自分たちの空間」という気持ちが強くなり、集中力を高めやすいようです。絵本コーナーやブロックコーナー、お絵かきコーナーやままごとコーナーなど、さまざまなコーナーが用意されています。
「コーナー保育」にかける時間はまちまち
ずっとそれぞれのコーナーで活動する訳ではなく、1日の中で時間を決めておこなっている園が多いようです。保育園や幼稚園には季節の活動や行事なども多く、従来の一斉保育の時間とうまくバランスをとりながらコーナー保育をおこなっています。また登園してから受付コーナー、着脱コーナーなどを通って登園の手続きと身支度をととのえ、遊びのコーナーを選択し朝の10時まではコーナー保育の時間、といった園もあります。食べるコーナーを設けている園では、バイキング形式のお昼ご飯を縦割りでとるようなところもあるようです。
コーナーごとに保育士が子どもたちを見守る
なかなか自分の遊びを見付けられない子には保育士が声をかけ、その子が興味を持てる遊びを引き出し、自分で遊びを見付けられるように促していきます。常に保育士が子どもたちの様子を観察し、友だちとの関わり方などに注意を払っているようです。子ども同士のトラブルの際は、タイミングをみて保育士が間に入り、子どもたちの思いをきちんと聞き、話し合って解決に導いていきます。
合わせて読みたい
「コーナー保育」のメリットとは
コーナー保育は子どもたち自身の個性と能力を目覚めさせ、責任感を引き出すことで、生き抜く力を育てていくといわれている保育システムですが、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?いくつか挙げてみましょう。
自分で考えて行動できるようになる
それぞれのコーナーではなにかを誰かに指示されてやる訳ではなく、やらなくてはいけないことがある訳でもありません。子どもたちは自分自身でやりたいことを決め、好きなように行動します。遊びひとつとっても自分で考えることになるので、主体性や行動力が身に付き、一人で考えて行動できる子どもが育つ最適な環境であるといえます。
興味のあることに好きなだけ没頭できる
好きなことに好きなだけ集中して取り組むことができます。自分一人で好きな遊びに没頭したり、コーナーにいる子どもたちと協力してひとつのものをつくり上げたりすることも可能です。先生は声をかけずに見守ることに徹します。決まりは何もないので、枠にとらわれずに子どもたちの自由な発想で楽しめ、集中力が身に付くのです。
上手にコミュニケーションがとれるようになる
コーナー保育は通常の保育の時間よりも、子ども同士が接する時間が長くなります。そのため子ども同士のケンカやトラブルが多くなりがちです。そんな時には先生の力を借りることはありますが、子ども同士がきちんと話し合って考え、解決に結びつけることで、人とのコミュニケーションの能力が磨かれるといったメリットがあります。
合わせて読みたい
12歳サッカー小僧とうさぎ×2とハムスター×1のママです。毎日もふもふ癒されています。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。