みなさまは、保育園留学という言葉を聞いたことがあるでしょうか?地方では、子育て世帯の流出などから人口が減っている場所が多く、この先もさらに過疎化が進むと予想されています。そのような中で最近注目されているのが、保育園留学なのです。
今回は、そんな注目されつつある保育園留学について詳しく解説します。
地方の過疎化を最大限利用する保育園留学とは?
それでは早速、保育園留学とはどのような取り組みなのかを見ていきましょう。どのような思いで取り組まれているプロジェクトなのかを理解する事で、さらに保育園留学が身近な存在へと感じられるはずです。
保育園留学の取り組み内容について
保育園留学とは、子育て家族と地域社会を繋ぎ、理想的な未来を作るための留学プログラムです。特に子どもが小さいうちは、大自然の中で様々な植物などに触れながら、心身共に健やかに育つ環境がとても重要です。
しかし、核家族化が進んでいる現代社会では、両親が働きながら自然に触れられるような子育てを行う事が難しくなっていますよね。そのような点に着目して、過疎化が進んでいる地域に子育て家族を招き、地域経済の貢献と共に多様な選択肢があるという事を実感出来る取り組みとなっているのです。
世界一素敵な過疎のまちを目指す厚沢部町(あっさぶちょう)の取り組み
20年前と比べて、人口が約70%まで減ってしまっている北海道の厚沢部町。ここでは、世界一素敵な過疎のまちを目指そうと、地域が一体となって地域活性化を行っています。その中の取り組みとして保育園留学があります。
北海道厚沢部町にある認定こども園「はぜる」は、過疎が進む町に子育て世帯の人が移住したり、定住したりしたくなるようにとの思いを込めて、2019年に開園されました。「はぜる」の現在の定員稼働率は75%で、まだまだ多くの子どもを受け入れ、育てることが可能です。
厚沢部町からのメッセージも
北海道厚沢部町役場の政策推進課、政策推進係長の木口孝志さんが話してくれた内容を要約して、併せてご紹介しましょう。
厚沢部町は、ヤマメやイワナなどが生息できる水に恵まれた地域で、農作物も美味しく食の豊かな町です。しかし、日本の中でも早い段階から過疎化が進んでいます。そのため、お試し移住も早い時期から取り組み始めました。
さらに、保育園留学プロジェクトを導入することで、地域活性化に力を入れています。今年で開園3年目を迎えた「はぜる」は、定員数120名に対して90名の稼働率となっているので、お子さまがのびのびと過ごすことが出来る環境が備わっているかと思います。
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保育園留学の1週間はどのような感じ?
次に、保育園留学の1週間はどのような感じなのかをご紹介していきましょう。
保育園留学は一定期間、自然豊かな環境で過ごせる点がメリットです。ここでは、厚沢部町認定こども園「はぜる」の魅力を例に挙げて、お話していきます。
保育園留学で遊びの中から学んでいく
厚沢部町認定こども園「はぜる」は、公園の芝生や築山をそのまま園庭として活用しています。そのため、天気の良い日は自然にたくさん触れながら、その大きさや美しさ、不思議さを体感しながら吸収することが可能です。
こうした普段の遊びの中からも、自然と子どもたちが学べる機会を作り出しています。
自然の恵みを通じて食を学んでいく
こども園「はぜる」では、様々な厚沢部町の恵みを食を通じて学ぶ事が出来ます。
保育園留学をしている期間中、厚沢部町の特産である野菜を栽培する事で、地域の野菜に触れる機会が増え、食べる楽しさを味わえるのです。厚沢部町では、秋冬には舞茸やきくらげ、夏にはジャガイモ掘りやブルーベリーの収穫など季節を切り取る食体験を行っています。
必需品が揃った新居暮らしも実現
保育園留学期間中は、こども園「はぜる」から車で5分くらいの住宅で暮らします。寝具や家具家電が一通り揃っている快適空間で、新しい生活を体験する事が出来るのです。Wi-Fi環境も整っているので、親は自宅で仕事をする事も可能。
また、子どもが園の環境に慣れるまで、専属の先生が付きっきりで対応してくれるのも安心ですね。
さらに、園での様子が毎日写真で親に届くので、子どもの成長を一緒に見守る事が出来るのもおすすめポイントです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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