今、一部の学校で無言清掃や無言給食といった、無言〇〇がはやっているのをご存じでしょうか?これは、おしゃべりは一切なしで掃除をしたり給食を食べたりするものです。生徒が目の前のことによく考えながら取り組むようになるというメリットがある一方で、親世代からはこれはどうなの?という反発意見も見られます。今回は、無言清掃やその他の無言〇〇について、ご紹介します。
無言清掃ではどんなことをする?
おしゃべりをせずに掃除をする無言清掃は、さまざまな学校が取り入れています。中でも有名なのが福井県にある永平寺中学校です。まず始めに、永平寺中学校の無言清掃はどのように行われているのかについてまとめました。
初めに持ち場で正座と黙想をする
永平寺中学校の無言清掃では、時間になるとまず生徒たちがそれぞれの持ち場に移動します。移動が終わるとその場で正座をし、1分間黙想を行います。これは心の準備をするための1分間で、その日にどんな掃除をするのかを考えます。「禅の里」と呼ばれる永平寺町にある学校らしく、その様子はお寺で行う禅のようにも見えます。黙想が終わると、立ち上がって掃除を始めます。
ほうきは使わず水拭きで掃除をする
学校の掃除といえばほうきを使うことが多いですが、永平寺中学校ではほうきは使わず、全て水拭きで行うそうです。体育館や廊下の水拭きをしながら動き回る生徒の姿は、お寺を掃除する修行僧のようで、ここにも「禅の里」らしい光景が見られます。まずは縦拭きを行い、一通り終わったら横拭きに移ります。こうすることで、余すとこなく掃除ができるのです。もちろんこの間も一切おしゃべりはありません。
最後は気づきの清掃と黙想で終わり
無言清掃の最後の3分間は気づきの清掃といって、普段やっていないところを自分で考えて掃除をします。気づきの清掃が終わった後は後片付けをし、最後にもう一度黙想をします。黙想ではその日の掃除がどうだったのかを自分自身で振り返ります。黙想後は同じ場所を掃除している生徒同士で反省会をし、良かったところを話し合います。ここで初めて、生徒が口を開くことになります。
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無言清掃以外もある!その他の無言〇〇とは
福井の永平寺中学の無言清掃が有名ですが、他にも生徒がおしゃべりをせずに何かを行う無言〇〇がいくつかあります。そこで、無言清掃以外の無言〇〇について主な三つを取り上げ、特徴をまとめました。親世代は、自分たちの時代とまったく違うので「こんなことも?」と驚いてしまうかもしれません。
誰とも話さずにご飯を食べる無言給食
皆さんは、学生時代の給食の時間はどのように過ごしていましたか?机をくっつけて班のみんなと楽しく話しながら食べていた思い出がある方が多いのではないでしょうか?しかし、中にはそのようにおしゃべりを一切せずに、給食を食べる無言給食を採用している学校もあるそうです。給食中にはその日の献立についての放送があるので、それをしっかり聞くためにも無言給食にしているといわれています。
給食の準備や後始末も無言で行う場合も
生徒が話さないのは給食中だけでなく、給食の準備や後片付けも同じというケースもあります。給食の準備といえば給食当番が行いますが、何もしゃべらずに淡々と準備や後始末をしていきます。準備中には「今日は何を持っていく?」、「小おかずは一人いくつだっけ?」というような会話がどうしても必要にも思えますから、給食の前後も無言で行うのはなんだか不思議な感じもしますね。
朝礼で集まるときの整列や移動も無言で
朝礼や全校集会など、小学校や中学校は何かと集会が多いものです。そんなとき、教室前で整列したり移動したりするときも、一切しゃべってはいけないというルールがある学校もあります。整列や移動のときは、つい生徒がうるさくして先生が怒る場面も多々あるので、先生にとってはメリットがありそうですね。また、会話がないと行動もテキパキできるので、無駄な時間が省けそうです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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