不登校の子どもへの支援
日本では、誰もが教育を受ける権利を保障されています。こうした基本理念に基づき、不登校の子どもたちに対する支援についても、さまざまな取り組みがなされています。支援の方法は、大きくわけるとふたつの方向にわかれます。ひとつは、学校への登校を支援するもの。もうひとつは、学校以外の学びの場を認めていくものです。
【学校内】保健室登校・カウンセラーの配置
不登校にも、いろいろな段階があり、子どもによって状況は異なります。教室には入れないけれど、学校には行ける子に対して、保健室登校を認めている学校もあります。授業には出ないけれど、行事には参加するという子もいます。学校に行きたい気持ちはあるけれど、何らかの要因で行けない子どもたちへの支援です。平成7年から、スクールカウンセラーの設置が進められており、早期の段階で子どもと親、教師への支援が行えるよう、国も支援しています。
【学校外】フリースクール・デモクラティックスクール
学校へ通えない子どもには、学校以外の学びの場が必要です。いわゆる勉強だけではなく、人とのかかわり方や、生き方を学ぶ場所がなくてはなりません。学校へ行きたくない、復学したくない、という子どもたちには、フリースクールや、デモクラティックスクールと言われる学びの機関があります。しかし、こうした施設は数も少ないうえ、公的な援助もありません。子どもたちの心理面でのハードルが高く、不登校の生徒が通っている割合は非常に少ないという現状もあります。
おわりに
小学校は義務教育ですが、この「義務」は、「親が子どもに教育を受けさせる義務」です。不登校になっても罰則はありませんし、子どもが責められるべきではありません。進級も卒業もできますし、中学校にも進めます。「学校だけが学びの場ではない」という考え方は、徐々に社会に浸透していますが、十分ではなく、子ども自身も自分を責めがちです。まずは、学校へ行かないと何もかもダメになるという社会全体の思い込みを捨てなければなりません。家庭やほかの場所で子どもたちが成長していく機会はたくさんあります。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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