一昔前は、子どもがメークをすることは少なかったかもしれません。しかし、今はメークも子どものおしゃれのひとつとなりつつあります。現に、子ども用のメーク用品も数多く発売されているのです。ただ、子どもと大人の肌は性質が違うため、その点に気を配らなければなりません。子どもが安全にメークをする方法について、ご紹介しましょう。
最近の子どものメーク経験率を知りたい
最近、子役タレントやアイドルなどの影響もあり、子どもがメークをしている場面を見ることはめずらしくなくなりました。また、芸能人など人に見られる職業の子ども以外でも、ファッションの延長線上でメークをする子どもも出てきています。実際に、低年齢層の子どものメーク経験率は、いったいどの程度なのでしょうか?
意外にも多い低年齢層のメーク経験率
現代の子どもはどのぐらいの割合で、メークを経験しているのでしょうか?某化粧品会社の調査によると、3歳から9歳の子どもの約80%がメークを経験したことがあるというデータが確認されています。また、キッズコスメも、3歳から9歳の子どもで、60%が所有しているという結果が出ているのです。意外と経験率や所有率が多いことに驚きですよね。さらに、キッズコスメの多くは、年齢層が下がるほど玩具メーカーが発売しており、次いで化粧品メーカーが製造している場合が多いといわれています。
親自身が子どものメークに抵抗がないことも
子どもは、親のメークを見ていると、「自分もしてみたい」という好奇心にかられ、メークをしたり、キッズコスメを欲しがったりする時期が出てくるものです。そのようなとき、親が「子どもなんだからメークなんてしなくていいの」と怒る時代もあったようですが、現代では親が子どものメークに寛容になっている背景があるといわれています。某化粧品会社の調査では、約60%の母親がキッズコスメを使わせてもよいと答えていると報告されています。
子どもがメークをするのはどんなとき?
子どもがメークをするときは、誕生日パーティーや七五三、クリスマスなどのイベントの際に行うことが多いようですが、普段の生活にも取り入れられていることが多いです。特に、キッズコスメは、ルージュやマニュキュアなどナチュラルなカラーが多く取り入れられているため、普段使いがしやすくなっています。また、子どもがよくメークをする部分としては、くちびるや爪など見える場所に施す場合が多くなっているといわれています。
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大人のメーク用品を使用してはダメな理由
親のなかには、わざわざキッズコスメを買うのはもったいないので、自分のメーク用品と共有したいという方もいることでしょう。しかし、大人用のメーク用品を子どもに使用しては、肌のトラブルが起きる可能性があります。なぜ、子どもにそのような症状が起こるのでしょうか?
大人の肌は、保湿機能を備えている
大人の肌には、外部の刺激から肌を守ってくれるバリアー機能が存在します。バリアー機能とは、肌の水分を保ち、潤いを与えるという保湿機能を兼ね備えているといわれています。保湿機能を正常に働かせるためには、規則的に角質内の細胞の隙間に、保湿成分を満たし、細胞同士をつなぎとめることによって、バリアー機能が有効に働いて行くことが期待されています。ただ、大人の場合は、洗顔のしすぎで必要な油分まで洗い流すことなどが原因で、バリアー機能を低下させてしまうことがあります。
子どもの肌は、保湿機能が不十分である
大人の肌は、誤ったスキンケアなどを行うことで、肌の保湿機能を低下させてしまうことがあります。しかし、子どもの肌は、大人のように肌のバリアーともなる保湿機能が、まだ正常に働かないことが多いといわれています。つまり、大人の肌よりも、子どもの肌はデリケートなのです。角質内の細胞が保湿成分を十分に保つことを可能にするには、皮脂膜の形成が発達している必要がありますが、子どもの肌にはこれが不足しています。そのような状態で、大人のメーク用品を使用すると、肌がかぶれるなどの症状が出ることもあるので気を付けましょうね。
子どもは、乾燥肌が多いという事実
子どもの肌はみずみずしく、滑らかに見えるため、乾燥肌とは無縁だと思えるかもしれません。しかし、子どもの肌が乾燥肌に見えないのは、子どもは大人よりも多くの汗をかくからだといわれています。現に、大人でも汗をかいていると、肌が乾燥しているようには見えないですよね。この原理は、子どもでも同じなのです。子どもは皮脂膜の形成が発達していないので、保湿が十分にできず、内面が乾燥している場合も多くあります。そうなると肌表面の柔軟性がなくなり、刺激の強い大人のメーク用品を使うと、肌がピリピリしたり、湿疹ができたりすることがありえます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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