保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。 3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。 生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/保育記事監修者プロフィール:伊藤美緒先生
音楽を聴くことは、リラックス等の「心を癒(いや)す」効果があると言われます。赤ちゃんがおなかの中にいる時に胎教に音楽を聴かせることからもわかるように、聴覚は胎児の頃から発達しているとても重要な器官です。「リトミック」は、音楽を聴いてそのリズムやメロディーに身をゆだねることで自律神経の健やかな発達を促し、心と身体のバランスを整えることのできる音楽教育法として注目されているのです。
リトミックが『心』に与える効果
リトミックとはスイスの音楽教育家エミール・ジャック=ダルクローズによって提案された、音楽を用いて「情操教育」「音感教育」「生活習慣」を自然に身につけるようにする教育法です。リトミックによって、子どもはどう変化していくのでしょうか。
リトミックで「表現力・発想力」が身につく
リトミックの音楽教育では、音とリズムに合わせてよく「マネっこ」をすることを取り入れています。「ペンギンさんになりましょう」と指示を出されると、両手をパタパタ動かして音に合わせて踊ったり、「カエルさんになって」と言われたら両手を床について飛び跳ねたり等、「○○ってどんな動物だったかな?」と自分で考えて表現する様になります。これにより「表現力」や「想像力」を養うことができるのです。リトミックは演劇の練習等、表現力を豊かにする目的として取り入れられているほど効果が期待できるのです。
「社会性・コミュニケーション能力」が身につく
音楽から感じとったことを表現することで養われる表現力は、将来大人になってから自分の考え・気持ちを表す力にもつながります。表現力が豊かになると、「自分を表現する」ことと同時に相手の表情・しぐさなどの表現を読み取る力もことも身につくため、相手の意向をくみとり「他人を受け入れる」こともできる様になるのです。リトミックでは、子どもの頃から基本的なコミュニケーション力が備わるので「社会性」が培われると言います。
リトミックで自然に身につく「集中力」
リトミックの基本は、音を耳で聞き、反射的に理解したことを表現するという流れで成り立っています。これは音に対して集中していないとできないため、自然と「集中力」が身につくのです。ゆえにリトミックは「集中力」を身につける訓練を「楽しく」取り入れた教育法であると言えるでしょう。
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リトミックが『身体』に与える効果
音楽によって得られる効果として期待されるのは、心の成長以外にも「基礎的な運動能力」など、身体の健やかな成長を促す効果があると言われています。「リトミック」を通して身につく「聴く・考える・表す」力は、具体的にどんな役割を果たすのでしょうか。
リトミックで身につく「リズム感」
リトミックは言うまでもなく「音楽」を使った教育法なので、いろいろな音や曲調に合わせて動くことで「リズム感」が養われます。この「リズム感」を身につけることで音楽性が磨かれ、ピアノや打楽器など楽器への興味が深まることにつながる可能性はもちろんのこと、あらゆる球技・陸上スポーツをするにも役に立ちます。
リズム感によって「運動能力」が鍛えられる
スイミングや陸上、テニスなどさまざまなスポーツ分野でも「リズム感」は大切と言われており、リトミックで養われる「音に合わせて止まる・動く」というリズム感は「基礎的な運動能力の発達・向上」に直結するのです。小さい頃からリトミックを取り入れておくと、いろいろなスポーツを始める際に覚えやすいという利点があるのです。
「造形リトミック」で認知の発達
「造形リトミック」とは、音楽と絵画、工作を組み合わせたオリジナルレッスンのことです。リズムに乗って歌いながら絵を描くことを通して、身近にあるものを「見る力」や「探求心」が養われ「認知の発達」を促します。それによって基礎機能が発達していくことが目的とされているのです。
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3歳の息子を育児中のシングルマザーです!製菓専門学校を卒業し、子供とお菓子作りが趣味です!
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