小学校の音楽の授業で使ったリコーダーが、今も押し入れの奥で眠っていませんか?日本人なら誰もが一度は演奏したことがある楽器、リコーダーは、昭和34年から学校の音楽教材として使われてきました。身近でありながら、意外と知らないリコーダーのあれこれをご紹介します。
小学校でリコーダーを習う理由
小学生がランドセルの脇にリコーダーをさして歩く姿をよく見かけます。今の小学生も習っているんだな、と感慨深いものがありますが、よく考えると不思議ですね。大人になってもリコーダーを吹いている人はあまり見かけません。どうして義務教育でリコーダーを習う必要があるのでしょうか?
学習指導要綱で推奨されているから
学校の教育プログラムの指針である学習指導要綱というものがあります。すべての教科で、この指導要綱に沿って授業が行われているのですが、実はここでリコーダーの指導が推奨されているのです。3、4年生の授業で使われる楽器は、リコーダーや鍵盤楽器などの中から、学校が選ぶように指導されています。そういえば、鍵盤ハーモニカも授業でよく使われていますね。小学校で教材として使われるのは、ソプラノリコーダーという種類です。
小学生にも扱いやすい楽器だから
リコーダーが選ばれているのは、楽器の特性も影響しています。手入れが楽であること、小学生でも扱いやすい大きさであること、プラスチックで生産することができ、比較的安価で手に入ること。こうした特性が、学校でリコーダーを使う大きな理由となっています。ひとりにひとつ与えたい楽器があまり高価では困りますし、音楽が苦手な子どもでも演奏しやすいものでなければなりません。リコーダーはその条件をクリアし、しかも旋律を奏でられる楽器です。使いやすくて表現の幅が広い教材なのです。
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リコーダーの選び方
ほとんどの学校では、授業が始まる学年で、指定の業者からリコーダー購入の案内が届きます。個人で購入する方は少ないと思いますが、「自分も一緒にリコーダーを始めたい!」と購入を考えているなら、選び方には注意してください。リコーダーには、ジャーマン式とバロック式、二つの種類があります。
小学校の教材はジャーマン式
小学校の教材で使われるのはジャーマン式のリコーダーです。後述するバロック式とは、指の動かし方に違いがあります。ジャーマン式では、すべての穴を指でふさぎ、ひとつひとつ指を離していけば「ドレミファソラシ」の音階を吹くことができます。運指(※)が簡単でわかりやすいため、子どもの教材にはジャーマン式が使われているのです。
※楽器を演奏する際の指の運び。指のつかい方。
趣味の演奏にはバロック式
一方のバロック式は、運指が違います。ファの音を出すためには、下から3番目の穴だけをあけて吹きます。覚えてしまえばどうということもない指使いですが、「下からひとつずつ指を離すんだよ」という指導に比べれば、少々複雑です。ただ、この運指を覚えてしまえば、他のリコーダーも同じように吹くことができます。実は、ジャーマン式があるのはソプラノリコーダーだけ。中学校でよく使われるアルトリコーダーは、バロック式です。リコーダーには、ソプラニーノ、ソプラノ、テナー、バス、など音階によってさまざまな種類があります。趣味の演奏に使うなら、すべて同じ運指で演奏できるバロック式がおすすめです。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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