【最新】授乳・離乳のポイントのまとめ
改定された「授乳・離乳の支援ガイド」をもとに、最新の授乳やアレルギー予防のポイントをご紹介します。この支援ガイドは個人向けではなく、医療機関や保健機関の従事者向けにまとめられた内容ですが、個人でも学びが多いのが特徴です。
【授乳時】食物アレルギー予防方法はある?
赤ちゃんや子どものアレルギーと言えば、湿疹やぜんそく、食物アレルギーが多いですが、これらの予防に
「母親が特定の食品やサプリメントを過剰に取ったり、避けたりすることに効果は示されてない」
「6カ月間の母乳栄養は、小児期のアレルギー疾患の発症に対する予防効果はない」
という調査結果が紹介されています。最近は「牛乳アレルギー治療用の加水分解乳は予防効果がないとする報告が多い」とも紹介されています。赤ちゃんのアレルギー対策に母乳のときから、特定の食品を避けたり食べたりすることには効果がないようです。
【離乳時】食物アレルギー予防方法はある?
子どもが食物アレルギーになることを心配して、離乳食を遅らせたり、牛乳やタマゴ、小麦など特定の食べ物を与えなかったりすることがありますが、これも「食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない」とのこと。そのため、子どもの発達に合わせて生後5~6カ月からの離乳を始めるのが推奨されています。また、離乳を始める前に、「果汁やイオン飲料」を赤ちゃんに与えることもありますが、こちらも「栄養学的な意義は認められていない」とされています。
新しく出た液体ミルクは飲んでも大丈夫?
2019年3月から発売され始めた、乳幼児向けの液体ミルク。スチール缶や紙パックに入ったミルクを哺乳瓶などに移せば、そのまますぐに赤ちゃんに与えられる優れもので、災害時の備蓄品としても注目させています。しかし、この発売されたばかりの液体ミルクは飲んでも本当に大丈夫なのでしょうか?赤ちゃん向けのミルク製品(育児用ミルク)は、安全性がなによりも大事です。そのため、発売するには厚生労働省から製造の承認を得て、さらに消費者庁から特別用途表示の許可を受けないと販売ができません。二つもの行政機関から承認と許可を取ってから販売される非常に厳格な商品が、液体ミルクです。安心して使えますし、支援ガイドでも育児用ミルクを使った育児の支援方針がまとめられています。
おわりに
国が取りまとめた授乳・離乳の支援ガイドは、主に医療機関向けに作成されていますが、これから育児をする方、育児中の方にとっても学びの多い資料です。ガイドには最新の液体ミルクの情報が盛り込まれ、アレルギー予防に効果がないとされる行為も紹介されていますので、一度目を通してみてはいかがでしょうか?
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。