赤ちゃんは、言葉を話すことができません。そのため、態度で気持ちを表現します。例えば、泣くことでお腹が空いたことを知らせたり、おむつが濡れていることを教えたりしているのです。しかし、どんなにあやしても夜泣きが止まらない経験をしたことはありませんか。このように問題が分からずに泣くことを、メンタルリープと言います。
メンタルリープを理解することで、親は赤ちゃんの要望を推測し、より接しやすくなることでしょう。ここでは、メンタルリープの詳細について解説します。
赤ちゃんの夜泣きはメンタルリープかも?
メンタルリープとは、赤ちゃんのぐずり期のことを言います。このメンタルリープは決まった時期に現れ、赤ちゃんが激しく泣き続けてしまうのです。
もしかして、夜泣きがひどい時はちょうどメンタルリープに差し掛かっているのかもしれません。
メンタルリープが起きるしくみについて
赤ちゃんは、生まれてから20カ月の間に10回のメンタルリープを体験すると言われています。
メンタルリープが生じるのは知能が急速に発達する時期でもあるため、赤ちゃん自身の刺激への感じ方が大きく変化することでその体験に戸惑い、激しく泣くという行動を取るのです。親が一生懸命対応しても泣き止まないのもうなずけますね。
メンタルリープが現れる時期はいくつか存在する
前に少し触れましたが、メンタルリープが現れるのは1回のみではありません。およそ赤ちゃんが2歳になるまでに、メンタルリープは10回訪れるとされています。
さらに、その10回は連続して訪れるというわけではなく、変則的に現れるのです。具体的なメンタルリープの時期は、出産予定日から数えた週齢で、5週、8週、12週、19週、26週、37週、46週、55週、64週、75週と10回起こります。
誕生日からではなく、出産予定日からというのが特徴です。
メンタルリープかどうか分からない時は?
メンタルリープのことを頭に入れていても、赤ちゃんが激しく泣くと親自身もつい慌ててしまうことでしょう。メンタルリープかどうか分からない時は、一度冷静になって赤ちゃんの出産予定日からの週数をかぞえてみてください。
1週間程度はずれる場合もありますが、その時期に当てはまるかどうかをチェックすることで、心のゆとりも生まれますよ。
合わせて読みたい
各々のメンタルリープの特徴を知っておこう
メンタルリープは週齢によって起こりますが、すべてが同じでものではなく、それぞれの時期には異なる特徴を持っています。つまり、夜泣きという行動でも、時期によって意味合いが違うということになるのです。
そのため、以下のような各々のメンタルリープの特徴を理解しておくと良いでしょう。
1回目~3回目のメンタルリープ
1回目~3回目のメンタルリープは、生後5週~12週頃に起こります。
この時期は、周囲の出来事に明確な興味を示すようになったり、出来事に規則性があることに気づいたり、物事の移り変わりも認知できるようになるとされています。そのため、何かをじっと見つめるようになったり、音が聞こえた方に顔を向けたり、動きがあるものに興味を示すなどという傾向があるのです。
4回目~6回目のメンタルリープ
4回目~6回目のメンタルリープは、生後19週~37週頃だと言われています。
19週頃からは周囲の物事の変化をより感じられるようになり、26週頃からは目で見える物の距離感も分かるようになるのです。さらに、37週頃には物事を分類する能力も身に付きます。
つまり、親の居場所を探したり、細かい物に興味を示したり、物を比べることを好むようになるのです。
7回目~10回目のメンタルリープ
7回目~10回目のメンタルリープは、生後46週~75週頃です。
この時期は、物事を一連の流れとして捉えられるようになると言われています。それにより、物事を組み立てたり、ルールを求めたり、環境に自分を適応させたりが可能となります。それにより、親のする動作を真似る、手伝いをしたがる、自分と他人の物と区別がつく、自我を出した行動をするようになるなどの態度が見られるようになるでしょう。
合わせて読みたい
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。