赤ちゃんに母乳をあげるのは、お母さんにしかできない大事な仕事ですが、みなさんは授乳についてどこまで知識を持っていますか?授乳には「自律授乳」と「規則授乳」という2種類の方法があります。また母乳をあげるのか、哺乳瓶でミルクをあげるのかという違いもありますよね。ここでは、そうした授乳の違いについてご紹介します。
自律授乳とはどういうもの?
自律授乳というのは、赤ちゃんがミルクを欲しがった時に満足するまで飲ませる方法のことを言います。この方法は昔ならではの授乳方法で、まだ粉ミルクや液体ミルクというものがない時に主流とされていたものです。その後一旦は規則授乳が主流となっていたのですが、最近また自立授乳が見直され始めているのです。
自律授乳の効果について
なぜ自律授乳が見直されているかというと、赤ちゃんによってミルクを飲みたいタイミングや量が異なるからです。当たり前のことなのですが自律授乳だと赤ちゃんの裁量で、ミルクを飲むようになります。これによって赤ちゃんは満足し、機嫌よく過ごせると言われているのです。しかし、個人差がありますので、別の理由で頻繁に泣くことがあるということも覚えておくと良いでしょう。
自律授乳の注意点とはなに?
注意しなければならないことは2点です。まず赤ちゃんが欲しがるからと言って、与えすぎてしまうのは控えましょう。赤ちゃんが飲みたい量ではなく、お母さんが飲ませたい量を飲ませてしまうパターンもあります。特に哺乳瓶でミルクを与える際には、中途半端にミルクが残っていたらあげてしまいたくなりますよね。そうしたこともミルクの与え過ぎにつながってしまうので、気を付けなければなりません。
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対して規則授乳とはどういうもの?
規則授乳は自律授乳とちがって、決まった時間に授乳することです。そのため計画授乳と呼ばれることもあります。例えば3時間おきに授乳を行い、1日の内に8回与えるというような非常に規則的なものもあります。昭和20年代頃は、実はこの規則授乳が良いとされており、多くの母親たちが規則授乳を行っていました。
規則授乳の根拠にはどういうものがある?
規則授乳には、医学的根拠があります。それは、赤ちゃんの消化時間と関係しているのです。一般的に、赤ちゃんがミルクを飲んでからミルクが消化されて胃から無くなるまでの時間が、大体3時間程度だとされています。そのためちょうど赤ちゃんのお腹がすいた頃に、計画的にミルクを与えることになるのです。今は、自律授乳が主流となっているのですが、規則授乳が流行ったころに子育てをしていた世代は、規則授乳を薦めてくる場合もあります。
規則授乳のデメリットとは
一時は主流となっていた規則授乳は、なぜまた日の目を見なくなったのでしょうか?実は、母乳と粉ミルクは消化時間が異なることがわかっているからです。母乳は粉ミルクよりも倍以上消化時間が早く、完全に母乳だけを与えると考えた場合、1日8回の規則授乳だけでは、赤ちゃんにとって栄養が足りないことがわかってきたのです。この場合、本当は10~15回程度の授乳が必要となるのですが、規則授乳だとその回数には届きませんよね。
もう一つ考えられることは、規則授乳の場合は赤ちゃんがすこやかに寝ていても時間になったら起こさなければならないことです。これは赤ちゃんにとっては大きなストレスとなりますし、お母さんにとっても休む時間が減って負担となりますよね。こうした理由から、今はまた自律授乳が主流となってきているのです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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