仮面夫婦が子どもに与える影響について
子どもの前では仲が良いふりをしている仮面夫婦でも、母親や父親の空気感などで、本当は仲が良くないということを、子どもは無意識に感じ取ることも少なくありません。両親が仮面夫婦だと理解すると、どうしても子どもはさまざまな影響を受けてしまいます。考えられる影響として、以下にいくつか例を挙げてみましょう。
親の仲が悪いのは自分のせいだと感じてしまうことも
子どもは小さければ小さいほど、親の仲がどうして悪いのかを理解することができません。またあるとき子どものことで言い争っている両親を見てしまったとしたら・・・。「親の仲の悪さは自分に原因があるのではないか?」と勘違いをしてします子どももいるはずです。自分のせいで親がケンカをするのだと思い込んでしまうと、無意識に自分を卑下したり、自信が持てない子どもになる可能性も否めません。
結婚に対して憧れを抱けなくなる可能性がある
仮面夫婦のもとで育った子どもは、両親は仲良くするものだという感覚がなくなり、温かく幸せな家庭をイメージすることが難しくなります。そのため成長しても、結婚して家庭を持つということに憧れを抱いたり、夢を持つことができない大人になる可能性もあるのです。好きな人ができても、前向きに考えることができなくなったり、結婚自体を避けてしまうようになることもあるでしょう。
子どもが精神的に不安定になることが多い
仮面夫婦のもとで育つ子どもは、言葉にできないピリピリした雰囲気の中で生活することもめずらしくありません。自分には、母親や父親が優しくしてくれても、家庭内のムードがそうではない場合も少なくないので、いつも周囲の空気を感じ取って行動することがクセになってしまう子どももいます。このように神経を研ぎ澄ましておく必要がある環境下にい続けると、学校など場所が変わっても、子どもが精神的に不安定になりやすいと言われています。
おわりに
夫婦には夫婦にしか分からない事情があり、結果的に仮面夫婦になっている方もいるでしょう。しかし子どもには何らかの影響を与えてしまう可能性があるのは確かです。そのため、仮面夫婦を続けるにあたっても大切な我が子には、十分に気を配って接する必要があると言えます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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