周りからは仲が良い夫婦に見えても、実は仮面夫婦だという家庭もあるでしょう。しかし、仮面夫婦とは言っても子どもがいれば学校行事に参加しなければならないこともあるでしょうし、お互いの実家への振舞い方などにも気を配らなくてはいけません。
ここでは、仮面夫婦が子どもに与えるさまざまな影響について、お伝えします。
仮面夫婦をするのはなぜ?その理由とは
仮面夫婦とは、人前では仲の良い夫婦を演じているにもかかわらず、本当は気持ちが離れ、冷え切っている夫婦のことを言います。夫婦関係が破綻しているのなら、離婚に踏み切れば良いのにと感じる方も多いでしょうが、仮面夫婦にはそのように振舞い続けなければならない、いくつかの理由があるのです。
子どものためには両親が揃っていた方が良いから
子どもがいる場合、特に小さな子どもを育てているときは、何かと親の手が必要となります。例えば保育園や幼稚園の送り迎えや学校行事なども、母親と父親で分担しながら協力をした方が便利な場合もあるでしょう。
また子どもがある程度成長するまでは、両親が一緒にいた方が寂しい思いをさせなくてすむという気持ちがあるケースもあります。だからこそ、仮面夫婦でい続けることを決意している夫婦も存在するのです。
離婚すれば経済的に困窮するから
夫婦2人で働かなければ生活するのが苦しい、あるいは専業主婦で経済的には夫に頼っているという家庭などは、離婚すると生活が難しくなることも多いです。なおさら、子どもがいれば子どもの教育費や食費などもかかるため、仮面夫婦でも一緒に住んでいたほうが金銭的に心配することがないからです。
夫婦で話し合いをすることさえ面倒くさいから
仮面夫婦はお互いに愛情が薄くなっていますので、会話をすることさえ苦痛だと思うこともあります。しかし別居や離婚をするとなると、家のローンや財産のこと、加入している保険の手続きの変更など、話し合わなければならないことが数多く出てきます。しかし、これらのひとつひとつは、労力とエネルギーを使わなければならないものです。
お互いに信頼し合っている夫婦なら、複雑な話し合いも前向きに考えることができますが、仮面夫婦にとってお互いが向き合う事柄は、面倒くさい方が先に立ってしまうと言えます。
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こういう場合はどうするの?シーン別に解説
仮面夫婦と言えども、子どものことを最優先にして考えなければいけません。子どもと夫婦の問題は関係ありませんので、そのときは親としての務めを果たす必要が求められます。このようなシーンに直面した場合、仮面夫婦はどのように乗り越えているのでしょうか?
家族での旅行や学校行事への参加は?
夏休みなどの長いお休みには、家族旅行をする機会もあることでしょう。夫婦2人での旅行なら避けたいところですが、子どもを介しているので割り切って旅行に行く仮面夫婦もいるようです。しかし夫婦2人だけになるシーンは控え、母親の自由時間には、父親が子どもと一緒にいて、父親が見たいところがある場合は、母親と子どもが父親と別行動をするというような工夫をしているという声も。
一方、学校行事で夫婦が揃って参加する運動会や卒入園式であれば、子どもの成長や様子を見るという共通な目的のために、夫婦でというよりも「父親」や「母親」として出席する場合もあると言われています。
夫婦での会話はするorしない?
仮面夫婦は夫婦同士で会話をすることは少ないものの、子どもに「○○のことをお父さんに伝えておいて」などと、子どもを通して会話をすることはめずらしくありません。また子どもと一緒に夫婦がいるときは、子どもに悟られないように普通に会話をする夫婦もいるようです。他にも子どもが起きているときは会話をするけれども、子どもが寝た後はお互いに会話はしないというケースもあります。
お互いの実家に対する接し方とは
お互いの実家が娘や息子たちは仮面夫婦だと知っている場合もあるでしょうが、なるべくなら自分の家族には心配をかけたくないと思っている仮面夫婦も多いのが実情です。そのような中においては、お互いの実家に対して仮面夫婦を悟られないように対応する人が多いようです。
また夫婦2人が揃うと違和感を持たれる心配があるため、仕事や用事を理由にお互いの実家には2人揃っていかないようにすることも。または必ず子どもを入れて行くようにすると決めている夫婦もいます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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