夏休みの宿題の定番といえば、読書感想文に、生活作文ではないでしょうか。しかし多くの人にとって、作文ほど重くのしかかってきたものはないのではないでしょうか。もし、自分の子どもが「作文が書けない!」と助けを求めてきたとき、いったいどのように作文の書き方をアドバイスすると効果的なのかをご紹介します。
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作文が苦手な理由って?
読書感想文や生活作文の他にも、日々の日記など、文章で自分の考えや出来事をあらわす作文が苦手な子どもは多いものです。では、子どもたちはいったい何が原因で作文に苦手さを感じているのでしょうか。
何を書いたらいいのかわからない
作文というのは、自由に書き手の考えを書くことを前提とされていますよね。読書感想文であれば、「ある本を読んでの感想文、原稿用紙○枚程度」、生活作文であれば「○○についての作文、原稿用紙○枚程度」など、ざっくりとした提示がされているものがほとんどです。これだけの情報だと、子どもにとっては相手が何を求めているのかがよく理解できず、何を書いたらいいのかがさっぱりわからない!というのが、子どもたちが作文を苦手だと感じる大きな原因となっています。
正解がない
先にも述べたように、作文は書き手の考えを自由に書くものですから、どうしたら正解、どうしたら○がもらえる、という模範解答がありません。現在の減点主義教育の結果、多くの子どもたちは「どうしたら○がもらえるのか」ということをとても気にするようになってしまっています。そのため、正解がわかりにくい作文や日記などを宿題と同じくくりで提出しなくてはいけないということが大変苦痛なようです。
終わりが見えにくい
作文を書くときには、原稿用紙○枚程度、という枚数や文字数の指定がありますよね。しかし、長い文章を書いた経験が少ない子どもにとっては、いったいどの程度の文章を書いたらその枚数に達することができるのかを想像するのが難しいのです。例えば、この見出しに文字は何文字ぐらいあると思いますか?ぱっと見てそれがわかる人はなかなかいませんよね。大人でも、文字を書くことになれていない人にはわかりにくい感覚です。それを思えば、子どもが作文用紙を前にしてぼうぜんとしてしまうのも理解できるのではないでしょうか。
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どうアドバイスするのが効果的?
子どもが作文を苦手な理由がわかったところで、今度はどのようなアドバイスや支援をすることが効果的なのかを紹介します。苦手な原因さえわかれば、それを補う支援をしてあげるだけで、驚くほど簡単に作文が出来上がってしまいますよ。
テーマをしっかり決める
何を書いたらいいのかわからないのであれば、まずは何について書くのか、テーマをしっかり決めてしまうことです。
読書感想文なら、
- 登場人物のだれについて書くか決める
- 物語のどの部分に注目して書くか決める
例えば、キャンプについての生活作文なら、
- キャンプの中の、どのイベントについて書くか決める
- キャンプをすることで一番楽しいと思っていることを書くことに決める
など、何について書くのかをしっかり決めるだけで、子どもは意外とスムーズに書きたいことを口にしてくれるはずです。
テーマについてインタビューをする
作文になれていない低学年のうちは、親がテーマについて子どもにインタビューしてあげることも効果的です。
- 登場人物の○○について、どんな人だと思いましたか?
- ○○と、自分とは、同じですか?ちがいますか?
- このお話を読んで、好きだなと思ったところはどこですか?
- このときの○○の行動について、どう感じましたか?
- 自分だったらそのときどうしますか?○○と同じですか?ちがいますか?
このようにインタビューしたことを、大人がメモしてあげることで、たくさんの情報が出てきます。これができれば、もう作文はほぼ完成しています。高学年になれば、セルフインタビューでもできるようになりますよ。
作文は段落に分けて書くことを意識して
作文を書くときには
- はじめに~これから何について書くのかを書く
- インタビューで出てきたことについて、一つ書く
- インタビューで出てきたことについて、もうひとつ書く
- まとめる
これだけで、作文は完成してしまいます。もちろん、いきなり作文用紙に書くよりも、下書きをして文字数の確認をしてあげることができればもっといいですね。
タイトルは最後に!
最初に目にするものなので、ついタイトルを一番はじめに決めてしまいがちですが、タイトルを先に決めてしまうことで、書きたい内容が制限されてしまったりする可能性があります。そのため、作文のタイトルは全部書きあがった作文を自分で読んでみてから決める方がスムーズです。タイトルが決まらないから書き始められない、ということも防ぐことができますよ。
子どもの書いたものを否定しない
最初にも述べたように、作文は、書き手の自由な考えを表現するものです。ということは、作文は目の前の子どもが、自由な考えで書きあらわしているもの。ですから、それを大人が否定することは、子どもにとっては自分自身を否定されたような気持ちになるほどつらいものです。大人が納得するものを書くのが作文の目的ではありません。子どもが作文を苦手と感じないためにも、否定することはできるだけ避けたいですね。
おわりに
子どもが作文の書き方に悩んだときのアドバイスの仕方をご紹介しました。ブログを始めようとしてもなかなか続かなかった経験のある親御さんもいるのではないですか?作文や感想文にかぎらず、文章を書くのは大人になってもなかなか難しいものです。難しいからと突き放すことはしないで、ぜひ子どもが作文に向き合う気持ちを応援してあげましょう。
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40代前半。15年間の義両親同居のモラハラ生活を経て離婚、現在は15歳の長男と10歳の次男と3人で暮らしています。子どもたちにはそれぞれ特徴のちがう発達障害があります。離婚後、保育士資格を取得し、いかに自立していくかを模索中です。
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