それぞれのタイプで対処法は異なる
いじめられている様子も特になく、子どもが友だちのできない状況にある場合、四つのタイプでそれぞれ対処法は異なります。子ども自身が訴えてきたら、親は子どもとともに対処法を試してみてください。子どもが何も言わない場合でも、子どものタイプと対処法を把握しておくとよいでしょう。
親の働きかけがポイントになるケース
(2)の「友達が欲しいと思っていてもできず、周りから避けられているようだ」というタイプの場合、避けられる理由を考えてみましょう。
例えば、身だしなみが整っていないことから子どもたちに避けられている様子なら、親がサポートをしてあげることによって、解決することが可能です。
また、周りの子どもたちに意地悪をしたり、自分勝手な行動をとったりしていることが原因で友だちができない場合も、親が関わることで改善できる可能性があります。親は子どもの話を聞いて共感する、子どもに否定的な言い方をしない、1日1回は褒めるといったことを心がけ、子どもとのコミュニケーションの時間を増やしてみてください。子どもが親の愛情を実感できることで、気質が変わっていくこともあります。すぐに効果が出ないこともありますが、辛抱強くこうした関わり方を続けていきましょう。
(3)の「友だちといるより、一人でいることを好むが、場合によっては友だちと遊んだり協力したりできる」というタイプの子どもについては、心配の必要はありません。むしろ「一人でいる時間」をつくることができるのは、これからの成長に大切な要素です。先ほども述べましたが、親に「友だちをつくりなさい」と強要されると、かえってつらく感じてしまいます。子どものペースにまかせて見守りましょう。
学校や専門家への相談が有効なケース
(1)の「友だちが欲しいと思っていてもできない。でも、周りから避けられている様子もない」というタイプの場合、学校の先生に橋渡し役になってもらうよう相談してみましょう。1年生で入学直後などは、親から離れる不安感から学校で積極的に友だちに声をかけられないことがあります。先生の力を借りながら、家庭では子どもと積極的にコミュニケーションをとり、「家に帰れば受け入れてくれる親がいる」と安心させてあげましょう。やがて学校で過ごす不安感が薄れ、友だちの輪に入っていくこともできるでしょう。
(4)の「友だちを欲しがらず、一緒に遊んだり協力したりする意志がない」というタイプの場合は、(1)~(3)とは事情が少しちがってきます。単なる気質だけではなく発達の問題が関わっている可能性もあるため、発達障害の専門医や臨床心理士に相談することをおすすめします。発達障害と診断されてもされなくても、子どもの個性に合わせた指導を受けることができます。
おわりに
子どもに友だちができない場合、親に何ができるのか考えてみました。友だちがいないと悩みを訴えてきた子どもには、一緒に解決する姿勢で臨むことが大切ですが、子ども自身に悩んでいる様子がなければ、気にとめつつ見守るスタンスを守りましょう。親自身が「友だちがいないとダメ」という考えから解放されることも、大切です。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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