デモクラティックスクールという言葉を聞いたことはありますか。日本ではまだなじみのない存在ですが、自由な校風と遊びから学ぶという理念が特徴的な学校です。別名、サドベリースクール、オルタナティブスクールとも呼ばれる、日本の公教育とは異なる学びの実態について調べました。
デモクラティックスクールって何?
デモクラティックスクールは、サドベリースクールとも呼ばれています。公教育とは異なる、自由な校風の、新しい学びの場です。アメリカのボストンにある、サドベリーバレースクールという学校の教育理念に共感した人々が、自主的に運営しています。世界でもまだ数が少ない、新しい学びの環境です。
自分の好きなことを学ぶ学校
スクールの教育方法は大変特徴的です。デモクラティックスクールには、決まったカリキュラムや時間割は存在しません。それどころか、教師と呼ばれる人もいません。スクールには、スタッフと子どもたちがいて、子どもたちはそれぞれ自分のペースで自分が興味のあること、好きなことを学んでいきます。音楽を演奏したり、ゲームをしたり、知らない人には遊んでいるようにしか見えないでしょう。しかし、それに関してスタッフは口出ししません。子どもたちは好きなことを自主的に、自由に学びます。もちろん、本を読んだり、興味のある分野の勉強をしたりする子もいます。
子どもたち自身が運営する学校
デモクラティックスクールのもうひとつの大きな特徴は、子どもたち自身が運営に携わる点です。学校の運営は、スタッフと子どもたちの話し合いによって進められています。学校の開校日や、学費、入学年齢、物品の購入にいたるまで、あらゆることが民主的に決められます。ここでは、スタッフの選出を子どもたちが行います。投票や話し合いによって、信頼のおける大人として選ばれた人が、スタッフとして子どもたちにかかわります。
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フリースクールとはどう違う?
日本の公教育とは異なる教育の場といえば、フリースクールが有名です。フリースクールは、不登校の子どもたちの居場所、受け皿としての機能が注目され、認知も広がっています。子どもたちを集めて寮生活をさせるところもあれば、通信制を採用し、まったく通学しなくても学べる環境を提供しているところもあります。子どもたちが好きなことを学び、強制はしないという点が、デモクラティックスクールの理念と共通しています。
公教育との連携は薄い
デモクラティックスクールとフリースクールの違いは、公教育との関係性です。両方とも、公式の教育とは認められていませんが、フリースクールへの登校は、公教育において出席日数に換算されるところが増えています。しかし、まだ歴史が浅く、数も少ないデモクラティックスクールには、こうした配慮がありません。とはいえ、義務教育である小中学校であれば、公立校に在籍した形のまま、デモクラティックスクールに通えば、公教育の卒業認定をもらえますので心配はいりません。
生徒のケアに重点を置かない
フリースクールは、不登校の子どもが通う学校として認知されています。そうではない場合もありますが、ほとんどの子どもたちは心に傷を受けている状態です。そのため、フリースクールは、学びの場である前に、子どもたちの居場所としての機能を優先させています。子どもの心のケアに重点が置かれ、関係性を築いていきます。一方、デモクラティックスクールは、まず学びの場であることが優先されます。特別なケアはありませんが、他者の自由を尊重し、認めあうことを大事にする教育方針が、子どもの心をいやすことにつながることもあります。
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