子ども同士のいじめは、幼い子の間でも起こることがあります。幼稚園や保育園でのいじめは、数は少ないですが、ゼロとはいえません。しかし、子どもが小さい分、単純で発見しやすいことがほとんどです。もしものときのために、いじめの典型例や対処法などを知っておきましょう。
幼稚園・保育園でのいじめの特徴
幼稚園や保育園でもいじめがあるのかと思うと、保護者としてはつらい気持ちでいっぱいになりますね。しかし、小学校のいじめとは性質が異なり、人間関係の複雑さは希薄です。どちらかといえば単純でわかりやすい行動が多く、見つけやすいものがほとんどです。
特定の子からの意地悪
子ども同士があそんでいるなかで、ケンカをしたり、意地悪なことをいったりすることはよくあります。しかし、毎回相手が違う、頻度がまれであるといった場合は、突発的なものだと考えてよいでしょう。幼い子の、いじめの特徴は「特定の子から頻繁に意地悪をされる」点です。小学校のように、集団でひとりに対して意地悪をすることはなく、個人対個人で起こります。ものを隠したり、壊したりというような、間接的ないじめは見られず、ひっかいたり、意地悪をいったりする、身体的な直接行動になります。
大人が発見しやすい
まだ幼い子どもたちは、自分の行為を隠すところまで意識がいきません。そのため、よく観察していれば比較的かんたんに発見することができます。肉体的な接触があった場合もそうですが、言葉の意地悪の場合も、被害を受けた子どもは暗い表情をしていたり、泣いたりしますのでまったく気づかない、ということはありません。ただし、泣いている子がいるからといって単純にその子が被害者というわけでもなく、前後の子どもの行動も含めてよく見ることが必要です。いじめにはあたらないケンカやいざこざの場合は、必ず相互にやりとりがあります。
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いじめではないか?と思ったら
子どもの話を聞いて、「あれっ?」と思ったり、お迎えの時間になにか違和感を覚えたりするようなことがあれば、見過ごさないようにしましょう。いじめ問題の解決には、未然の予防と、早期発見、適切な対処が必要です。
まずは先生に相談する
おかしいと思ったら、まずは担任の先生に相談です。「考えすぎかな」と悩むことはありません。結果的になにもなければそれでいいので、気になることははやめに伝えましょう。「気をつけておきます」「よく見ておきます」といわれて、その後のフォローがないときは、主任の先生や園長先生に話をしてみてください。相談が上に伝わっていない場合があります。直接相手の保護者に話をすることは、トラブルの原因になりますので、避けましょう。当事者以外の保護者への相談も、できれば避けたほうが無難です。
子どもの心のケアに努める
いじめの標的になりやすい子は、おとなしく、相手に反撃しないタイプです。自己主張が少なく、すぐに泣いてしまう子や、とっさに言葉が出ないで黙ってしまう子も要注意です。こうした子どもたちは、つらい気持ちもなかなか言葉にできません。「どうしてはやくいわなかったの?」「やめてっていえばいいのに」などと子どもを責めるような言い方は禁物です。しっかり抱きしめて心のケアをしてあげてください。いじめをしている子どもにも、心のケアは必要です。万が一、子どもがいじめ的な行動をしている場合は、より丁寧に向き合う必要があります。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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