子どもの声を聴く「子どもアドボカシー」を知ってますか?

日本で子どもアドボカシー制度は導入される?

子どもの気持ち
障害者福祉分野などで、権利の主張を支援するという意味で使われてきたアドボカシーは、近年の児童虐待が相次ぐ日本で、子どもを守るシステムになるのではないかと期待され始めています。ここからは、日本における子どもアドボカシーの動きについて見ていきましょう。

児童虐待防止策を強化する働き

今年6月、親による子どもへの体罰を禁止し、児童相談所の体制強化を柱とする改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が可決され成立しました。これによって、虐待を受けている子どもの保護や保護者の支援の体制を強めること、さらに児童相談所など関係機関の連携を強化するための体制を見直すことが盛り込まれることとなり、アドボカシー制度の創設が現実化することになりました。2020年4月の施行に向けて、全国各地で子どもアドボカシーの動きが活発になりつつあるのです。

アドボケイトは誰でもなれる?

アドボケイトは、100%子どもの味方である人でなければならないということは先ほども述べましたが、アドボケイトは必ずしも専門知識が必要なわけではありません。イギリスでは専門家ではなく、一般市民が中心となってアドボケイトを受け持っています。子どもの意見を聞き出す力や子どもから信頼してもらえる力などを、アドボケイト養成講座で学ぶことでアドボケイトとして活動することができるのです。日本でも同じような措置がとれるよう組織の準備をし、将来的にはアドボケイトの要請や認定制度をつくることを目標にしています。

アドボカシーと児童相談所の連携

アドボカシー制度ができたからといって、児童虐待全てを防ぐことができるわけではありません。アドボカシーは、あくまで“子どもの声を代弁する”ことなので、子どもを虐待そのものから守る役割は担っていません。アドボケイトの声を受けた児童相談所が子どもを守る措置をとってくれなければ、子どもを救うことはできないのです。人材不足が懸念されている児童相談所の働きをアドボケイトが補助することで、子どもを虐待から守る仕組みを確立していかなければなりません。

おわりに

自分の意見を言うことが難しい子どもの代わりに意見を表明し、権利を守る子どもアドボカシーは、子ども本人の声に寄り添い向き合うことが大切です。私たち大人自身も自分の生き方を見直し、子どもへの接し方を考え直す必要があるのかもしれません。私たちの力で、虐待を受けている子どもを一人でも多く救える社会にしていくことが必要です。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

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