孫育ては引き受けるべきか?祖父母世代の葛藤
孫育てに関して祖父母世代はどのような意識をもっているのでしょうか。孫をもつ55〜74歳の男女を対象に、第一生命経済研究所が孫育てに関する調査を行いました。調査結果からみえてきたのは、孫育てに対する複雑な気持ちです。
50代後半の祖父母、3割が「頼ってよい」
調査では、祖父母を頼らずに親自身で子育てを行うべきだとする人がほぼ8割にのぼりました。その一方、全体の7割を超える人が、大変ではある孫の世話を引き受けるべきだとも回答しています。ただし、孫育てに関する意識は祖父母の年齢によって若干の違いがみられるようです。年代別にみてみると、いずれの年代でも「親自身で行うべきだが、引き受けるべき」との回答が50%を超えます。しかし、「頼ってよいし、引き受けるべき」とする回答は、若い年代ほど割合が高くなっています。特に50代の祖父母では、祖父母を「頼ってよい」と孫育てを「引き受けるべき」だと考えている人が3割近くにのぼっています。
親がすべき、でも引き受けるべき、孫の世話
これは別の見方をすると、年配の祖父母世代ほど自身の気持ちや価値観と孫育ての実態とにズレが生じている可能性がある、ということなのかもしれません。体力がついていかないこともあるし、時間やお金もかかるものです。孫が優先になり、自身のことが後回しになってしまうストレスもありますね。親自身で行うべきだし、そうしてほしい、けれど諸事情を考えると致し方ない。葛藤や複雑な思いを抱きつつも孫育てに携わる祖父母たち。そのブルーな嘆息が大きくなる前に、早急に改善をはかることが重要です。
おわりに
「孫ブルー」には家族の在り方が大きく関わっています。重要なのは家族間でのコミュニケーションです。互いの本音や希望を聴き、できることを伝えあうことで、子育て・孫育ての信号をブルーにしてゆきたいものですね。
平成27年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果・内閣府
「高齢者と子どもの交流」―意識と実態にみる日本の特徴―・お茶の水女子大学基幹研究院 人間科学系教授 藤崎宏子
祖父母による孫育て支援の実態と意識・第一生命
河村都『子や孫にしばられない生き方』・産業編集センター
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メンタルコーチとwebライターの兼業をしている40代ワーママです。夫と息子との3人家族。東京生まれ東京育ちの大阪府民です。電車と食べることとヘンテコな踊りと絵本が大好きな、まもなく5歳の息子のお蔭で親として日々成長中です。息子が寝る前に習慣としてつづけてきた絵本の読み聞かせが、もうすぐ通算650冊になります。
Mme_barbon(マダムバルボン)は息子が好きだった絵本『ワニのバルボン』シリーズが由来です。
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