「漢字検定」=「漢検」。テレビや雑誌、新聞などで1度は見たことがあるのではないでしょうか。10級から1級まで12段階(準1級・準2級があります)の級に分かれ、どの級からでもチャレンジできる漢検。10級は小学1年生レベルなので、小学校を機に取り組むことをおすすめします。今回は、漢検についてご紹介しましょう。
年齢不問、誰もがチャレンジできる漢検
漢字検定(漢検)の正式名称は「日本漢字能力検定」。公益財団法人日本漢字能力検定協会が行う技能検定です。検定問題では、漢字の読み書きに加え、漢字の意味を理解し、文章の中で正しく使える能力も問われます。団体で漢検を受検する学校や企業、クイズ番組などで漢検の問題が出題されることも多く、広く認知されています。
年間200万人もの受検者がいる漢検
漢検には受検資格はなく、誰もが受験できます。漢検には個人受検や団体受検などいくつかの受検方法がありますが、1年間で実に200万人以上が受検し、年齢層も3歳から102歳ととても幅広くなっています。早いうちから漢字の読み書きに慣れておこうという小さな子どもから、年を重ねても学び続けたいという意欲旺盛なご年配の方まで、受検者それぞれがさまざまな目的で合格を目指して頑張っているのです。
漢検には10級から始まって3級、準2級、2級、準1級、1級まで12段階の級があります。制限時間は8~10級で40分、その他の級で60分。年によって異なりますが、7~8割正解すれば合格です。2017年第2回のデータによると、合格率は小学1年生レベルの10級は94・8%ですが、大学・一般レベルの1級はわずか4・6%。1級は常用漢字を含む約6,000字から出題され、合格率は難しい国家資格と同レベルに相当します。
標準的な小学生のレベルは5~10級
漢検はどの級でも自由に受検できますが、一応目安はあります。10級が小学1年生程度で、ひとつ級が上がるごとに目安の学年が上がり、5級が小学6年生程度となっています。以降は次のとおりです。
級 | 目安 |
4級 | 中学校在学程度 |
3級 | 中学校卒業程度 |
準2級 | 高校在学程度 |
2級 | 高校卒業・大学・一般程度 (常用漢字2136字がすべて読み書き、活用できるレベル) |
準1級 | 大学・一般程度(約3000字) |
1級 | 大学・一般程度(約6000字) |
個人で受検する場合、年3回受検機会があります。小学校入学と同時に勉強を進め、10級から順番に受けていくのもいいですね。
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子どもにとって漢検のメリットとは?
漢検の各級は学校の学習状況に対応しているので、検定に向けての勉強が進めやすくなっています。また、年に3回の受検機会があるので1回で合格できなくても繰り返しチャレンジできます。もちろん、検定に向けての勉強は必要ですが、学校の勉強とも無理なく両立できるでしょう。ここでは、漢検にチャレンジするメリットについてご紹介します。
合格を目指して挑戦する意欲が育つ
「検定合格」という目標は勉強へのモチベーションにつながります。漢検の勉強を毎日進めることで自主的に勉強する習慣がつき、学校の勉強も頑張ってみようという気持ちも高まるでしょう。そして、みごと合格して合格証書を手にした経験は自信となり、さらに上の級を目指して頑張ろうというチャレンジ精神も生まれます。漢検を通じて、成果を出すには努力することが大切だということを知り、いろいろなことに挑戦できるようになるでしょう。
小学生にとって必要な基礎学力が育つ
漢検を目指して勉強することは、小学生の基礎的な学力である「読み書き」を養うことにつながります。読み書きの能力は教科を越えてすべての学習の土台となるものです。読み書きの能力をつけるには、繰り返して練習する必要があります。協会が出している漢検オフィシャルの問題集があるので、利用するといいでしょう。また漢字を知っていると、高い語彙(ごい)力や読解力を身につけることができるので、漢検の勉強は応用力の養成にもつながります。漢検に挑戦するなら、小学校低学年からの取り組みをおすすめします。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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