五感をフル活用する事で、子どもの将来に役立つ体験をさせてあげられると注目されている本物体験。見て・触って・味わったりする事で、「生きる力」を育てる事が出来ると言われています。
ここでは、本物体験について詳しく解説します。
本物体験が子どもに与える影響とは
それでは早速、本物体験が子どもに与える影響から見ていきましょう。本物体験はどのようなものなのか、そして本物体験にはどのような種類があるのかについてお伝えします。
将来に役立つ本物体験とは?
本物体験とは、触覚・嗅覚・味覚を意識的に使って、生きる力を育んでいこうという体験の事です。私たちのまわりには、情報があふれていますよね。
例えばテレビでは簡単に焚火のシーンなどを見る事が出来ますが、煙の臭いや火の熱さ、火傷の怖さなどは分かりません。しかし、実際に焚火を体験すれば、このような五感から感じるものを体験する事が出来るのです。経験することで、子どもたちの知恵を学びながら育み、危険を回避するためのアイデアを生む思考に結びつけることが目的とされています。
子どもの個性によって学び方が異なる
たとえ、同じ本物体験をしたとしても、子どもの個性によって学び方が全く異なってくることもあります。例えば、先ほどの焚火を例にすると、「火の熱さ」に興味を示す子もいれば、「物が燃える」という事に興味を示す子どももいるのです。
このように、子どもそれぞれの興味のある分野を見極めて、個性を伸ばすキッカケを作ることもとても重要になります。
本物体験はどこでも出来る?
本物体験は、特別な施設を利用しなくても、近所の公園などでも十分行う事が可能です。
例えば、同じ公園でもその日の天候や気温によって、土の状態やそこにいる虫の種類が変わってきますよね。また、子どもによってその体験をしている時に、感じる感情も異なります。静けさが心地いいと感じる子どももいますし、鳥の声や虫の声を聞いて楽しいと感じる子どももいます。
こうした子どもたちの個性によって、何を学ぶと感受性に働きかけられるかを、興味深く観察する事が重要なのです。
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本物体験で得られる生きる力とは?
自然の中で本物から得られる情報は、人間が意識的に作った物とは比べ物にならないくらい、子どもに良い影響があると言われています。本物体験を子どもにさせることで、将来どのようなメリットが生まれるのでしょうか?
環境に対する意識を持ち、生命の大切さを知れる
子どもが実際に自然に触れる事で、環境に対する意識を持つことが出来、生命の大切さを知ることが可能になります。本物体験では、実際に生きている小さな生き物に触れる機会もとても多いです。
その中で、自分よりも小さなものでも、命があり直接触れて鼓動を感じる事で、さらに生命の大切さを実感することが出来るのです。そして、人間とは違う環境に生きる命に対して、理解しようとする力も育まれます。
子ども自身の探求心や自主性が芽生える
本物体験では、自然の中で見つけられるおもしろい形がたくさんあります。枝や葉っぱ一つとっても、同じ形の物はありません。
それらを使ってどのような遊び方が出来るのかを、子ども自身が考える可能性が広がりますし、自分で考えるという自主性を育む事も出来るのです。
情緒の安定や健康で丈夫な体を得ることができる
本物体験では、土や水に直接触れて学ぶ機会が多いので、自然と健康で丈夫な体を育てる事が出来ます。気候や温度によって、土の状態や水の温度は変わります。そのような自然の変化に、柔軟に適応していく事で健康的な体を手に入れる事が出来るのです。
そして、五感をフルに活用する事で、子どもの情緒を安定させる効果も期待できます。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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