例えば、「大きくなったらお医者さんや弁護士さんになるの!」とわが子に言われたら、どのように答えますか?
もし、親として「それは無理じゃない?」と伝えてしまおうとした方は、無意識にドリームキラーになっているかもしれません。
今回の記事では、子どもの可能性をつぶしてしまうドリームキラーについてご紹介します。
ドリームキラーについて徹底解説
「親なのに、子どもの夢をつぶす訳がない」と感じる方は多いはず。
しかし、子どものためを思って発言した言葉が、可能性の芽を摘みかねない場合もあります。では、具体的にどのような言動を指すのかを学んでいきましょう。
ドリームキラーってどのような人?
ドリームキラーとは、子どもなどの夢を壊す大人のことを言います。
「現実は厳しい」という自分の物差しで注意をしているつもりでも、子どもの夢を無意識に壊してしまっている点が特徴です。
ドリームキラーは親がなりやすい?
どのような人も、時と場合によってドリームキラーになる可能性があります。しかし、中でもドリームキラーになりやすいのは、子どもの幸せを一番に願っている親であるケースが多いと言われているのです。
また、親戚や先生、友人などの身近な人がドリームキラーになりやすい傾向もあります。なぜなら、親しいがゆえに当事者を思う気持ちが強くなるからです。
【ドリームキラー】参考例と比較してみよう
幸せを願って親が対応したとしても、子どもにとってはマイナスな言葉になってしまうケースは大いにあります。
以下に具体的な例をいくつか紹介しますので、日常的に自分がしている言動と比較してみましょう。
- 「〇〇しようと思う!」というと、始める前に「それは無理でしょ。」と否定する
- 「才能がないと思うよ」と、挑戦しようとする気持ちを消してしまう
- 「趣味に時間を使うよりも、ちゃんと勉強していい学校にいきなさい」と、夢を見させないようにしてしまう
- 「どうせすぐ止めるし、お金がかかるだけでしょ?」と、金銭面を盾に取り否定する
- 「それで生きていけるほど、人生は甘くないから」と言い、現実を見させようとする
厳しい現代社会を生きていると、「夢を見る」だけでは生きていけないと大人は知っています。
だからこそ、子どもに学歴や資格などの物質的なことに時間をかけてほしいと願うものです。
しかし、その言葉を幼いころから聞いていると、子どもは「どうせ自分は何もできない」という思考になってしまいます。
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親がドリームキラーだと子どもに悪影響を及ぼす
子どもの幸せを1番に願った発言にも関わらず、子どもを傷つける結果になってしまうことはめずらしくありません。
それに気づかずにドリームキラーな言動を続けていると、子どもとより良い距離を親自身が築くことが困難になるでしょう。
親がドリームキラーになる理由
わが子には失敗をさせたくないという思いから、「そんなこと無理」「止めておきなよ」という言葉が口から出てきてしまうこともありますよね。
たくさん愛情をかけて育ててきた子どもだからこそ、少しでもいい人生を歩んでほしいと願う思いが強すぎるがために、親は自分の物差しで計った答えを出してしまうのです。
他にも、
- 自分の期待(理想)通りに育ってほしい
- 世間体を気にしている
- ママ友などからうらやましいと思われたい
- 自分の考え方が、子どもの考え方に比べると正しいと思っている など
の理由も挙げられます。
しかし、ドリームキラーな言動を繰り返していると、子どもはマイナスな方向へ進みがちです。
そのため、なるべく早く親の意識を変えることが最良の選択だと言えるでしょう。
親に否定され続けると子どもは自信をなくす
ドリームキラーな親のもとで育つと、子どもは「自分にはどうせ叶えられない」と思うようになり、夢がなくなってしまいます。そうすることで、段々と「何がしたいのかが分からない」といった考え方に陥るのです。
自分が本気で叶えたい夢があれば、必死に努力することができるでしょう。しかし、努力したい対象がなければ、努力を続けていくのも難しくなってしまいます。
ドリームキラーな親は子どもに嫌われる
子どもを否定しつづけるドリームキラーな親と日常的に過ごしていると、否が応にも子どもとの関係が悪くなると言えます。
具体的には、以下のようなマイナスな親子関係になる可能性があるでしょう。
- 親の意見や言葉に対して反抗してくる
- 子どもが親に向き合わず、話も聞いてくれなくなる
- 「親の期待に応えなくては」と自分を押し殺して生きていくため、子どもは苦しい時間を長く過ごすことになる
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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