人生100年時代を迎え、国はリカレント教育(学び直し)を推進しています。リカレント教育は、社会人が知識をアップデートして仕事に活かすことを想定していますが、主婦の中にも大学に進学する人が増えています。
主婦が大学に進学する際、気になるのが「主婦でも大学に合格できるの?」ということではないでしょうか。そこで、ここでは主婦でも行ける大学や入学方法についてご紹介します。
主婦でも行ける大学にはどんなものがある?
「大学って、平日の昼間に通学しないといけないのでは?」と考えている人が多いのではないでしょうか。実は、そのような昼間に通う大学のほかに、夜間に講義を行う学部を設置している大学や、自宅で勉強を進める「通信制大学」もあります。
ここでは、主婦でも行ける大学のタイプと、それぞれの入学試験について解説します。
通学して講義を受ける大学に進学
いわゆる一般的な大学に入学し、通学するパターンです。通学するタイプの大学には、昼間に講義を行う大学や夕方以降に講義を行う大学(昼間に講義を行う大学に設置され、「夜間部」「二部」とよばれている)のほか、昼・夜の両方の講義を受けられる「フレックス制」を設けているところもあります。
昼間に通学する大学を卒業すると、大学を卒業した証である「学士」が授与されますが、夜間部や二部を卒業した場合ももちろん学士を得ることができます。
いずれのタイプにおいても、社会人入試枠を設けている大学は入試資格として高校または大学卒業後、数年の社会人経験が必要となるところが多いです。主婦を社会人経験とみなす大学もあるので探してみましょう。
社会人入試は小論文と面接に加え、出願理由書などの書類選考によって合否を決定します。高校生のように何科目も学科試験を受けなくてもよいので、受験勉強の負担は軽減されますが、志望動機をしっかり固めておく必要があります。
自宅で講義が受けられる通信制大学に進学
通信制大学とは、自宅でテキストやインターネットを使って勉強を進めるスタイルの大学です。自分の都合に合わせて学習を進められるため、仕事や家事をしながら学びたい人に向いています。また、大学に通学するスタイルに比べて学費が3分の1から4分の1程度と安いのも魅力です。
通常の大学と同じく、通常4年間かけて学び、卒業すると学士の学位が授与されます。通信制大学は一般的な大学の中に通信教育部として設置されていて、資格取得を目的に進学している人が多いです。取得する資格によっては、年に数度のスクーリング(通学)が必要になることもあります。
受験資格は通常の大学と同様、高校を卒業していることです。通信制大学は入学のための科目試験がないことが多く、ほとんどが書類選考のみで合否が決まります。
育児や家事をこなしつつ、空いた時間で講義を受けることができるため、主婦にとっては通学タイプの大学よりも通信制大学のほうが向いているといえます。しかし、自分で時間を見つけて勉強し、レポートを提出したり試験を受けたりして卒業に必要な単位を揃えなければならず、通信制大学を卒業するには強い意志が必要です。
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「主婦でも行ける大学」の新たな選択
通学、または通信制大学は必要な単位を取り、卒業時に「学士」の学位を受けることで、いわゆる「大卒」の学歴を手に入れることができます。しかし、通学・通信制ともに、家庭と両立しながら4年間通い続けることは簡単ではありません。
「いきなり正規の学生になるのはハードルが高い」と感じる人にはおすすめなのが、「科目等履修生制度」「履修証明プログラム」といった制度です。
科目等履修生になって特定科目を履修する
「科目等履修生制度」とは、正規の学生とは別に、社会人などの学習機会を増やすために設けられた制度です。正規の学生は卒業の条件として学部ごとに所定の単位を取る必要がありますが、科目等履修生は正規の学生が受けている講義の中から大学が許可したものについて、希望するものを選んで受けることができます。受講できる単位数の上限が決められていることが多く、たとえば明治大学では1学期につき16単位という上限が設けられています。
この制度を利用して科目等履修生として学んでいる人は、教員免許や学芸員などの資格取得のためだったり、自分の興味のある学問を学ぶためだったりと多様です。のちに大学に正規学生として入学した際、科目等履修生として取得した単位は卒業単位に算入されます。履修に必要な費用は入学金のほか、講義料がかかります。入学金は2~3万円程度、受講料は1単位当たり1~3万円程度のところが多いです。
科目等履修生の出願条件は高校を卒業していることで、試験はありません。正規の学生として入学する前に、まずは大学の講義を体験したいという人は、科目等履修生の制度を活用してはいかがでしょうか。
履修証明プログラムで学びを深める
「履修証明プログラム」とは、大学や大学院が社会人を対象に、特定のテーマについて体系的な学習プログラムを提供する制度です。プログラムの条件は60時間以上となっています。
プログラム内容は、たとえば「女性のためのスマートキャリアプログラム」(明治大学)や「ワークショップデザイナー養成講座プログラム」(青山学院大学)「遠隔医療マネジメントプログラム」(千葉大学)など多彩です。
実施期間は3か月から1年程度のものまでが多く、形態は対面授業のものもあれば、対面とeラーニングと組み合わせたものもあります。費用はプログラムの内容によって異なりますが、10万円台のものが多いようです。
履修証明プログラムを修了すると、学校教育法に基づいた履修証明が発行されるので、履歴書にプログラムを修了したことを書いてアピールできます。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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