さまざまな大学や中高一貫校などで導入されつつあるルーブリック評価。ルーブリックとは何か、ご存じのない方も多いかと思います。ルーブリック評価は詰込み型教育からアクティブ・ラーニングへ形を変えた教育現場で使われる新しい学習評価方法として知られています。
そんなルーブリックを使った評価方法はどういったものなのか、メリットやデメリットも含めてまとめました。
ルーブリック評価は何が新しいのか?
「ルーブリック」という評価基準を「ルーブリック表」にまとめて、それを使って評価する方法を「ルーブリック評価」といいます。ルーブリック評価はペーパーテストなどで評価される基礎学力などとは違い、評価しづらい能力を評価するために用いられることが多い評価方法です。
ルーブリックとはそもそも何か?
「ルーブリック」は生徒がどこまで学習到達できているかを評価するための評価基準です。
学習する生徒が能動的に学習する「アクティブ・ラーニング」が学校教育にも取り入れられるようになってから注目されている評価方法で、ペーパーテストなどでは評価しにくい点も点数をつけて可視化することができます。
「ルーブリック表」には、縦軸の見出しに「評価項目」が、横軸の見出しには「評価点」の数字が書かれています。そして、表の内容にはどこまで出来ていればどの評価段階に達しているのかという「評価基準」が細かく設定されています。
評価しづらい能力も判定しやすくなる
体験学習や調査学習をはじめ、グループでの話し合いや討論など、生徒たちが自らすすんで行う「アクティブ・ラーニング」は、その活動から明確な点数が出るわけではないので、教師からの評価が難しいとされていました。
しかし、ルーブリック評価では、学習内容への「意欲」や「態度」、「関心」などの取り組む姿勢や、発表などでの「表現力」や伝え方などの「技能」、とっさの「考える力」などの技量を点数化することができます。そのため、ルーブリック表を使用すればどの教師でも、偏りなく生徒の能力を評価できるのです。
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ルーブリック評価のメリットとは
ルーブリック評価の最大のメリットは、上でも書いたように評価しにくい能力も点数化できるということです。評価を可視化する、つまり客観的に見ることができると、生徒や教師にはどのような利点があるのでしょうか。
生徒たちの目標がわかりやすくなる
ルーブリック表は教師だけでなく、生徒も確認できるという特徴をもちます。ルーブリック表を見ると、「評価項目」と「評価基準」、そしてその基準を満たすともらえる「評価点」が細かく書かれています。
生徒はそれによって「自分が今、何を学んでいるのか」や「これを頑張ろう」という目標、さらには反省点などを自ら見つけることができるのです。自分の目標を理解して学ぶことは、メタ認知能力の育成にもつながり、生徒の自発的な学習や問題解決能力の向上にもつながると期待されています。
教師も明確な目標を持ち公正な評価ができる
教師によって評価がまちまちになりやすい能力も、客観的に評価できるルーブリック表。意欲や表現力など、ペーパーテストではわからない項目も基準があることで悩むことなく評価ができます。教師同士で共有化することにより、評価の偏りが少なくなります。
また、ルーブリック表を生徒に開示することで、生徒たち自らが能動的に学ぶことができ、自分の得意なことや反省点を気づくことができるのです。それは、教師が一方的に授業を進めることでは育てるのが困難な能力を開花させてあげられるということです。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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