学習指導要領の改訂により、2020年4月から小学校での英語教育が教科化されました。英語のスキルは将来的に身につけておいて損はありません。英語学習の前準備として、親子で楽しめる英語絵本の読み聞かせをおすすめします。ちょっとしたコツを意識すれば日本語の読み聞かせ同様、楽しく続けることができますよ。
英語絵本の読み聞かせのコツ
英語に苦手意識がある人にとっては、英語絵本の読み聞かせはハードルが高いかもしれません。また日本語もおぼつかない幼児に英語を教えることに意味があるのか、と疑問視する人もいるでしょう。しかし私たちの生活には、自然に英語が入り込んでいます。ものの名前や「ゲットする」「ジャンプする」といった動詞も日常的に使いますね。英語絵本の読み聞かせはこうした生活の延長線上で楽しむのがコツです。
英語の発音はCDやスマホで補完する
英語絵本を読み聞かせするとき、発音の正確さについてはあまり気にしないでください。日本人の多くはネイティブ並みの発音のよさを求める傾向にありますが、発音が多少悪くても英語は通じます。英語は世界の共通言語となっていますが、世界では母国語が英語ではない国がほとんどです。中国語訛りの英語、ドイツ語訛りの英語など、多少クセのある英語でもコミュニケーションに問題はありません。それよりも英語を使うことに対する抵抗感をなくすほうが大事です。
もしより正確な発音を子どもにきかせたいなら、CD付きの絵本を選ぶか、スマホの読み上げ機能を使って英文を読んでもらうなどの手段で補完してみてください。その際も必ず自分でも発音してみること。親の苦手意識や消極的な気持ちが前面に出ないように気をつけてください。
好きなジャンルを選んで続ける
英語の絵本も日本語の絵本も、興味がないジャンルだと子どもも楽しめません。子どもが好きなジャンルの絵本を選んで続けましょう。3~6歳くらいの子どもには、図鑑もよいでしょう。日本語と英語で身の回りのもの、好きな動物、乗り物などの名前を覚えることができます。いきなり英語の絵本を読み聞かせしようとしても耳慣れない言葉で語りかけられて、子どもが混乱したりつまらないと拒絶したりすることもあります。初チャレンジの際はとくに絵を眺めているだけでも楽しい、というジャンルを選んであげてください。
勉強にしない!
一番大事なコツは、英語絵本の読み聞かせを勉強の時間だと思わないことです。とくに英語の文章をいちいち日本語に訳すことはやめてください。英語を感覚的に味わうことの妨げになります。英語で歌われている音楽をきくとき、歌詞をいちいち日本語に翻訳しながらきくでしょうか?言葉の意味はわからなくても英語を音としてきき、音楽とともに楽しむことが多いはずです。英語教育の第一歩、と意気込みすぎないようにしましょう。子どもが嫌がったら、無理強いは禁物です。
合わせて読みたい
英語絵本の読み聞かせ効果
英語絵本の読み聞かせには、日本語の絵本読み聞かせと同様の効果があります。読み聞かせは学習の一環ではなく、あくまで親子のコミュニケーション手段のひとつです。そのため言語が変わっても、おひざで本を読んでもらったり保護者の声で語りかけられたりすることがスキンシップになり、心の安定につながります。こうした基本の効果に加えて、英語ならではの読み聞かせ効果に注目してみましょう。
苦手意識がなくなる
英語で絵本を読んでもらうことが日常になっていくと、英語に対する苦手意識がなくなっていきます。誰でも小さいころから身近にある存在に対しては警戒心が薄れ、親しみを感じるようになりますね。英語でおはなしをきいたりものの名前をきいたりすることで、英語は日本語と同様にツールであることを感覚的に受け入れられるようになります。日本語も英語も誰かになにかを伝えるときに使う道具にすぎない、と認識できれば苦手意識も生まれません。美しい絵や楽しいおはなしと一緒に耳にしていれば、よりポジティブな受け止め方ができます。
親も一緒に英語力がアップ
英語絵本の読み聞かせ効果は、子どもにだけあるものではありません。日々の読み聞かせによって、親も一緒に英語力アップが期待できます。もともと英語が得意な人にとっては効果とはいえませんが、この機会に英語を学びなおしたいという人にとっては、プラスになる習慣ですね。語学学習の方法のひとつに、シャドーイングという手法があります。手本となる朗読の後を追いかけるように、数秒遅れて発音を真似て話す訓練です。この手法は同時通訳者の訓練法として有名で、聞き取り能力向上にも効果があります。ぜひ取り入れてみてください。
合わせて読みたい
子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。