赤ちゃんとの散歩やお出かけは気持ちのいいものですよね。でも赤ちゃんを連れて外出すると知らない人が「かわいいわね」と言いながら赤ちゃんに触ろうとすることが多いのも事実です。かわいいと思ってくれるのはうれしいですが見ず知らずの人にわが子を触られるのは複雑ですよね。
ここでは、赤ちゃんに触ろうとする人たちの心理と、それに悩むお母さんたちの声をもとに、どう対処していけば良いのか考えていきたいと思います。
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赤ちゃんは「かわいい」という心理が働くもの
多くの人は、「赤ちゃんはかわいい」と思うのではないでしょうか。これは、人間の赤ちゃんに限らず、生物の赤ちゃんにも共通しています。頭が大きい、手足が短くずんぐりしている、動きがぎこちないといった、「ベビーシュマ」と呼ばれる特徴があるからです。
では赤ちゃんを見た人はどう行動してしまうのか、いくつかの例をみていきましょう。
本能の赴くままに触りたくなる人がいる
興味を持ったり、「かわいい」と感じたものを触りたくなる人も、世の中にはいます。さらにお母さんに許可も取らず勝手に触る人もおり、これは現代よりも赤ちゃんに触れることに対しての意識が緩かった世代に多いようです。見知らぬおばさんに勝手に触られた、というのはよくあるケースなのだそう。
赤ちゃんの興味を引きたい!様々なアクションを起こす人も
変顔をしたり手を叩いたりして、赤ちゃんの興味を引こうとする人がいます。しかしこのように赤ちゃんに接近・密着することは、接近した人の飛沫などが赤ちゃんにかかる恐れがあります。また赤ちゃんに自分の口や鼻を触らせるなどの行為は、特に感染症などが流行する秋冬にかけては感染リスクが高まりますのでお母さんたちは不安ですよね。
こんな人もいる?!ナンパしてくる人や危害を加える人
赤ちゃんという話題を利用して、お母さんに接近してくる男性もいるようです。赤ちゃんだけではなく、自身も守らなければならないとあって、世のお母さんたちの負担は大きくなっています。
また2010年栃木県で、赤ちゃんを抱っこさせて欲しいと接近してきた人が、赤ちゃんの足の骨を折るなどして危害を加えた、という信じられないニュースも話題になりました。このように、悲惨な事件にも繋がりかねないため、お母さんたちは我が子を守るために日々悩んでいるというわけなのです。
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あなただけではありません!お母さんたちの悩み
多くの人は悪意があるわけではなく、赤ちゃんを純粋に「かわいい」と思うからこその行動をしています。だからこそ「神経質に考えすぎなのかな?」と悩むお母さんもいるようです。しかし安心してください。悩んでいるのはあなただけではありません。
以下に、実際に悩んでいるお母さんたちの意見で、特に多かったものをまとめました。
赤ちゃんの手に触ってほしくない
特に、手に触って欲しくないという意見が見られます。赤ちゃんの手は大人の手と比べてもとても小さいので、触ってみたい気持ちはありますよね。ところが赤ちゃんはよく指しゃぶりをしますから、大人が何を触ったか分からない手で触れると菌が移り、その菌が体内に入ってしまうことを恐れて、手を触られることを嫌がるお母さんが多いのです。
ちなみに手はだめでも足は良いと考え、赤ちゃんの足を撫でる人がいるようですが、突然触られること自体に抵抗があるため、結局はどの部位でも不快に思うお母さんもいるようです。
「触らないで」と言いづらい?関係悪化が不安
触ってくる人に対して、「触らないで」とは言いづらいですよね。そうすることで、気を悪くさせたり、怒らせて危害を加えられたりしないか不安に思っているようです。また知らない人ならまだしも知り合いには特に言いづらく、「関係が悪くなってしまわないか」と心配する方もいるそうですよ。
触って欲しくはないけれど、我が子を自慢したい点も
世のお母さんは見知らぬ人、例え知人であっても勝手に触られることに対して警戒します。しかし我が子が可愛くて仕方がないのも事実です。触られるのは嫌だけど、我が子を自慢したい、というお母さんも少なくありません。「見てもらう分には嬉しい」「我が子の自慢話は聞いて欲しい」と考えている方もいるようですよ。
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子どもを触ろうとしてくる人への対処法
残念ながら、触ってくる人のことを不安に思っているだけでは、赤ちゃんは守れません。予期せぬ事態も十分にあり得ますので、赤ちゃんを守るためには事前に予防線を張ることが重要です。
ここからは、赤ちゃんを触ろうとしてくる人の対処法をいくつか挙げますので、参考にしてみてください。
スーパーなど人の集まるところを避ける
スーパーなどに行くとスペースも限られていますので、必然的に人との距離が近くなってしまいます。そうすると、「あら、かわいいですね」と声をかけられ、近付いてくる人に遭遇してしまうのかもしれません。そのため、広い公園や河原を散歩するなどして、スーパーのような人が密集・密接してしまう空間を避けるようにしましょう。また今はネットスーパーがありますので、食材の買い出しであればネットスーパーを利用するのも良いでしょう。
どうしてもスーパーに行かなければいけない場合は、赤ちゃんにケープを被せたり、急いでいる風を装ったり、旦那さんと一緒に行くなどして、目を離さないようにしましょう。
フードが深めのベビーカーを利用しよう
フードが深めのベビーカーは、雨や紫外線、ほこりなどから赤ちゃんを守ることが主な目的ですが、深めフードで赤ちゃんの顔が見えなくなるため「寝ていたら起こしちゃうかな?」と声をかけることを躊躇う人も多いようです。これでも十分な予防になると思いますが、それでも不安な方は、赤ちゃんから見て前方、上部、左右を完全にブロックするカバーも販売されていますので、それを取り付けるとより効果的です。
時には言葉で伝えることも大切です
あらゆる対策を施しても、中にはそれを突破してくる人がいるかもしれません。そうなったときには、「触らないでほしい」と伝えることも大切です。しかし強く言ってしまうと差しさわりが出てきますので、「この子は人見知りなので知らない人に触られると泣き出してしまう」といった具合に、やんわりと断るようにしてみてください。
おわりに
赤ちゃんという存在は、私たちにとっての癒しであり、見ているだけで顔が綻んでしまうものです。かわいさあまって、ついつい触りたくなってしまう人が多く、決して悪意があるわけではありません。しかし感染症のリスクや最悪の場合には重大な事件に巻き込まれてしまうことを考えると、予め対策を取っておくのが良いでしょう。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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