家族の休みがなかなかあわない、旅行シーズンはどこも混んでいる、といった理由で、子どもに学校を欠席させて家族旅行をするご家庭についてどう思いますか?実際に体験した人、我慢している人、考えたこともない人、それぞれに理由があります。賛否の背景と、子どもへの影響について考察しました。
学校を欠席して旅行へ行くことの是非
小学校を欠席させて、子どもを家族旅行に連れて行くことの是非は、ネット上でたびたび議論されています。逆にいえば、リアルで議論するには微妙な話題だということでしょう。ほとんど学校へ行かせず世界中をまわっているという極端なケース以外は、基本的に各家庭の考え方を尊重するというところへおさまっているようです。
反対6割賛成4割という調査
2018年に女性週刊誌がおこなった調査によれば、「学校を欠席して家族旅行」には、反対が約6割、賛成が約4割いました。反対が6割ということで、やや反対の人が多いようですが、細かく見ていけばさまざまな意見があると考えられます。例えば、「行き先や目的による」という意見です。例をあげると「近くの遊園地はダメだけれど、海外旅行や遠隔地の旅行ならよい」とか、「遊ぶだけではダメ。勉強になるならよい」という人は多いでしょう。また、「行く人を否定はしないが、自分たちは行かない」という考えもあります。もちろん「自由にどんどん行った方がよい」という人もいます。それぞれ反対、賛成といっても微妙な温度差があります。もし、周囲の人の意見を聞いてみたいときは、不要なあつれきを避けられるよう、切り出し方に気をつけてください。
現場の先生の反応は「なるべく正直に」
生徒が学校を休んで家族旅行に行くことについて、現場の先生はどう考えているのでしょう。個人的に賛否はあるかもしれませんが、管理責任者としては「なるべく正直に教えてほしい」と考えているようです。先生や学校に内緒で旅行へいって、飛行機の遅延や事故で戻ってこられなくなる、というケースもあり得るからです。事情を知らないと何が起こったかわからず心配ですし、何より子どもにうそをつかせることになります。クラスのなかで、「あいつはズル休みをして旅行にいった」と反感をかっても、先生が事情を知っていれば、うまくとりなすこともできます。旅行の行き先などは個人情報ですし、あまりいいたくない気持ちもわかります。「家の事情で遠出をします」など、簡単な説明でかまいません。
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賛成派と反対派それぞれの理由
賛成派、反対派、それぞれの意見には理由があります。いくつかの視点から、賛成派、反対派の考え方をまとめました。自分だったらどうするか、ぜひシミュレーションをしてみてください。両親の間でも意見の相違があるかもしれません。子どもの育て方に深くかかわってくる話題です。
賛成派は「体験重視」
賛成派は、子どもの体験を重視して、学校を休むのも仕方がないと許容しています。働き方改革が推進される昨今ですが、働くお父さん、お母さんはなかなかまとまった休みがとれないという方も多いでしょう。そして大型連休やお盆、お正月の時期は旅行代金も高額になります。めったに行けるものではないうえに、学校外でさまざまな体験をすることが子どもたちの学びになります。「学校だけが学びの場所ではない」という考え方を大事にした意見です。そのため、「ただ大型遊園地に行くだけ、というのは…」と行き先や目的によっては悩んでしまうこともあります。
反対派は「学業軽視につながる」
反対派の意見は、子どもが学校に行かなくてもいいと思ってしまうのではないか、という不安感から出ています。学校の授業を休むわけですから、勉強が遅れたり、習っていない部分が出てきたりする恐れがあります。また、いわゆる「ズル休み」を助長し、ルールを守れない、責任感のない子どもになるのではないか、という意見もあります。ただ、子どもが学校を休みたいというときは、背景にいじめや先生との関係、勉強の遅れなどの理由がある場合もあります。親としても丁寧な判断が必要になるため、「学校は行くものだ」と決めておいた方が安全だと感じるかもしれません。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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