親が子どものラインを監視するのはありでしょうか、なしでしょうか?犯罪なども増えていることから、親が子どものインターネットの利用を制限したり、監視したりするのも必要なことだという意見もあります。ここでは親が子どものラインを監視することについて、いろいろと考えてみましょう。
ラインは監視すべき?最近の子どもスマホ事情
子どものラインは監視すべきでしょうか?最近は、子どもの中でもさまざまなコミュニティやラインの文化ができてきていて、親が理解できないような「子どものスマホ事情」というものも形成されつつあります。子どものスマホ事情について、以下にご紹介していきます。
スマホを持っている子どもはどのくらい?
某大手塾の調査によれば、年齢が低いほど防犯のためにキッズ携帯を持たせ、中学生など年齢が上がるほどスマホになるというデータが報告されています。つまり、年齢が低いうちはスマホをまだ使いこなせないため、必要な機能だけがあるキッズ携帯を持たせるというのが、多くのご家庭の考え方だといえるでしょう。また大手情報通信会社の調査では、小学校低学年でキッズ携帯やスマホなど携帯電話の端末を持っている割合は全体の約30%、小学校中学年では約45%、小学校高学年になると約60%と半数以上の児童が携帯を持っているというデータも。そして、中学生になると携帯を持っていない子ども自体が少なくなり、約70%がスマホを持っているという現状も示されています。
お子さんは現在どんな携帯電話を持っていますか?
子どものラインを見る親はどのくらいいる?
どうしても子どもが心配で、子どものスマホや検索履歴、ラインのやり取りまで見るという親も出てきています。しかも、かなりの頻度で確認しているというケースもあり、子どもからすればあまり気持ちの良いものではないでしょう。しかし、事前にトラブルや犯罪から子どもを守るという観点では、子どものラインを見ることは間違いではないという意見もあります。このあたりは親と子どもで認識の違いがあり、それが親子間のトラブルになることも少なくありません。
子どものラインを見るのは犯罪?
ところで、子どものラインを見るのは犯罪なのでしょうか?子どもに自分のラインを見ることは犯罪だといわれた、という親の声がネット上でも見られるようになりました。しかしこれは犯罪ではありません。もちろん、子どもが20歳を過ぎている場合は成人ですから、プライバシーの侵害という部分もあります。ただ、未成年のうちは、子どもの健全な育成や安全な生活のために、親は子どもを自身のコントロール下に置くというのが原則です。同様に、子どもも親の保護を受ける必要があるともいわれています。
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各家庭の携帯ルールは?ラインを監視している?
ライン依存が怖い、ラインばかりやって家でも食事中でもスマホばかりいじっている、親子の会話が全然ない・・・。そんなケースもあるのではないでしょうか?「それならいっそのこと、スマホに触る時間を制限しよう、ラインをさせないでおこう」。こういった子育て方針もありますし、このような考え方に親がなるのも当然のことです。しかし、これだけでは平和的な解決は望めない場合が多いものです。そこで、各家庭の携帯ルールについて調べてみました。
スマホを使う時間を制限している
一番多いのが、スマホを使う時間を制限するという方法です。例えば、食事中にはマナーとしてスマホをいじらないようにさせ、食事に集中させる。また、テレビを見ている時や勉強中は携帯を見ないなど、各家庭によってルールは異なります。ただし、勉強中のスマホの制限については、最近はサブスクリプション型で塾の動画を配信しているアプリなどもあることから、フルに制限してしまうと勉強の妨げになってしまうケースもあります。また、友達とのラインについても宿題の答え合わせをしているケースなどもあり、一概に勉強中はスマホNGとできない事情もあるでしょう。
子どものSNSの利用を制限している
最近は炎上騒ぎなどもありますので、SNSの利用そのものを制限しているというケースもあります。ラインのみならず、TwitterやFacebook、その他Instagramなども利用を制限しているという家庭も見られます。ただしあまりにも制限してしまうと、子どもの学校での付き合いなどもあることから孤立してしまうケースもあり、一律してNGとしてしまうのは考えもの。子どもの話をきちんと聞いてあげるところからスタートしましょう。
子どものラインを見るのは法律違反?
先ほど、子どものラインを見るのは犯罪行為かどうか?という話をしましたが、犯罪行為ではなくとも何かしらの法律に違反するのではないか?と悩むケースもあるでしょう。また、子どもから犯罪ではなくとも、「法律に反している」と文句をいわれているケースもあるかもしれません。ただ、こちらも法律違反ではないケースがほとんどです。やはり未成年ということで、親は子どもの生活に立ち入って、危険がないか確認することが義務ということもありますし、子どもが使っているスマホやインターネット回線の契約者が保護者であれば、それを確認するのは、法律には違反しないという考え方です。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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