妊娠し、その後の出産を考えた場合、まず考えるのが産院選び。産婦人科ひとつとっても、個人院・総合病院などさまざまです。出産の方法についても、助産師さんのサポートで自宅出産を希望するなど、「出産」をどのように迎えるのか、それぞれの夫婦で選択肢が多様化して生きているのが現実です。
今回は、周産期母子医療センターにスポットを当て、産婦人科との違いなどに触れていきます。
周産期母子医療センターとは?
出産は病気ではありません。一方で、出産時にさまざまなリスクを伴うのも事実です。出産時の思わぬトラブルを想定し、周産期母子医療センターで出産を望む夫婦も。周産期母子医療センターとは、どういった施設なのでしょうか?
周産期母子医療センターの概要
周産期とは、主に出産前後の時期を指し、具体的には妊娠22週~出生後7日未満までのことです。この期間は、妊娠中毒症や合併症、分娩時のトラブルなどの可能性が高まります。突発的な事態に備え、産科・小児科(新生児科)の双方から母子一体の医療が提供できる態勢を整えた施設が周産期母子医療センターです。
日本は世界的に見て周産期死亡率が低いものの、未熟児の数は増えているのが現状。継続して国内の体制を強化していくためにも、周産期母子医療センターの役割が重要だと考えられています。
一般的な産婦人科医院との違い
一般的な産婦人科医院では、「出産」に対する処置と新生児を診ます。しかし出産時のトラブルや出産直後に重篤な病気判明した場合など、出産した医院では早急な処置ができないこともあります。
周産期母子医療センターは、母体胎児集中治療室(MFICU)・新生児集中治療室(NICU)といった高度な治療ができる体制が整っているため、別の病院に緊急搬送をする必要もなくスムーズに対処できます。
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周産期母子医療センター|総合・地域の違い
周産期母子医療センターは、2018年4月現在で全国に406施設ありますが、総合・地域と大きく二つにわけられます。それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
総合周産期母子医療センターとは?
総合周産期母子医療センターは、MFICUの病床数は6床以上、NICUは9床以上(地域によっては、それぞれ3床以上6床以上の場合もあり)となっています。厚生労働省の指針に基づき都道府県によって認定された施設です。
高度な医療が適切に提供できる施設・人員が整備され、ドクターカーを保有して必要時に地域の施設へ派遣できるような体制ができています。そのほか、検査機能・輸血の確保など、緊急時のための万全な設備が整っていることが前提の施設です。2018年4月現在では、全国に108施設が整備されています。
地域周産期母子医療センターとは?
地域周産期母子医療センターとは、総合に準じた施設を持つ周産期母子医療センターで、都道府県により認定されています。ただし指針によれば、NICUを備えた小児専門病院などで都道府県が認めたものであれば、産科がなくても地域周産期母子医療センターとして認定されている場合もあります。
地域周産期母子医療センターは、地域の関連施設などから緊急搬送を受け入れたり、総合周産期医療センターからの戻り搬送を受け入れたり、各施設と連携を図っているのが特徴です。2022年4月現在では、全国に296施設が整備されています。
周産期母子医療センター施設リスト(令和4年4月1日現在)
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長男(小1 )・次男(年中)の二児を子育て中。総務・人事・経理などの事務職に従事し、産休・育休ののちに離職。その後フリーライターとして、出産育児・ビジネス・働き方関連・就職転職・地方創生など幅広いテーマを執筆しながら早4年目に突入しました。
男の子2人の育児に翻弄されつつも、我が子には「思いやりのある子・人の痛みのわかる子」になってほしいと願いながら慌ただしい毎日を過ごしています。
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