子育てをする中で、子どもがなかなか勉強しなかったり、少しの失敗でくじけてしまったりということはよくありますよね。そんなときは、「この子は将来大丈夫なのだろうか?」と心配になることも多いことでしょう。今回は、子どものやる気を引き出すためには、どのような言葉で語りかければよいのか?また、使わない方が良い言葉もあわせて、ご紹介します。
子どものやる気をアップさせるための言葉とは?
多くのお父さんやお母さんにとって、子どもにはやる気があってたくましく、行動力のある人物に育ってほしいと思うものですよね。ところが、そのような人物になれるかどうかは、親の教育による点が大きいといわれています。普段から、子どもにどのような言葉をかけてあげれば、やる気を引き出すことができるのでしょうか?
苦手なものに消極的な子どもに対する言葉かけ
大人も子どももそうですが、人間は自分が不得意なことに対しては、ついつい消極的になってしまいますよね。例えば、苦手な科目の勉強や、スポーツをしなければならないときは、やる気が出ないものです。ですが、人生は苦難の連続なので、つらいことをすぐに放り出してしまう子どもに対して、将来が心配になってしまのが親心だと思います。
もし、子どもが苦手なものに対して消極的な場合は、まずは小さなことでも良いので褒めてあげることが大切です。また、時には「どんなところがうまくできたと思う?」などという質問をし、あえて本人の口からうまくできた、上達した部分を口に出させるのも良いでしょう。
失敗したときは、子ども自身に考えさせる
何か物事に失敗してしまったとき、子どもはつい「自分には無理だ」と考えて投げ出してしまうこともあるでしょう。そんなときは、親が「どうすればうまく行くと思う?」「どうやれば良いか一緒に考えてみようか?」などという言葉をかけて、子ども自身に解決策を考えさせてみたり、一緒に考えてあげたりするのが良いでしょう。
そのとき、子どもが出した答えを実践して失敗を克服できれば、それは子どもの自信となり、行動力にもつながります。子どもが失敗したときは、安易に答えを提示するだけではなく、一緒になって考えることも大切です。
少しずつ成功体験を重ねることが大事
苦手なことや困難を克服するうえで重要なのは、「成功を体験させる」こと。そして、その成功を褒めるなどしてしっかりと子どもに実感させることです。つまり、成功体験が増えると、子どもは自信を持ち、行動力や困難に立ち向かう力を持つことができるのです。
困難にぶつかるたびにすぐに投げ出してきた子どもは、成長する機会をどんどん失ってしまいます。子どものやる気を引き出すためにも、親は小さな成功でも積極的に褒め、一緒になって解決策を考え、少しずつ成功体験を積み上げさせていくように心がけましょう。
合わせて読みたい
男の子と女の子でやる気の出る言葉も違う?
実は、子どもが男の子か女の子かで、「やる気の出る言葉」の内容は変わってくることがよくあるといわれています。そのため、親が良かれと言って発した言葉も、場合によっては効果を発揮してくれないこともあるのです。男の子と女の子、それぞれに効果的な「やる気の出る言葉」の傾向を探ってみましょう。
男の子には個人の能力や結果を褒める
まず男の子の場合ですが、男の子のやる気をアップさせるには、個人の能力や結果を褒めてあげることが重要だとされています。例えば、
- 〇〇君ならきっとうまくできるよ!
- 〇〇君に任せて良かった!
- 〇〇君じゃなければ、こううまくは行かなかった!
などという言葉かけが代表例です。
古来の男性は、狩りなどを仕事としており、女性に自分の力をアピールし、子孫を残してきたという歴史があります。そのため、自分の能力を認めてもらったり、高く評価してもらったりすることに喜びを感じやすいのが特徴です。男の子の能力を褒めてあげることで、やる気を引き出すことができると言えそうですね。
女の子には共感や物事達成への過程を褒める
女の子の場合は、やる気をアップさせるために、共感する言葉をかけたり、結果よりもその過程にある努力を褒めてあげたりするのが良いでしょう。例えば、
- 一緒に頑張ろう!
- すごく丁寧にやってくれたね!
- みんなでやればできるよ!
などの言葉かけがベストだと言えます。
女性の場合も、古来より赤ちゃんのお世話などをし、集落でみんなとコミュニケーションを取りながらの生活をしていたといわれています。そのため、共感する能力が高く、共感を得られることで安心感が得られると考えられているのです。「任せる!」や「あなたならできる!」というよりも、「一緒に頑張ろう」という言葉かけで、共感性を刺激し、勇気づけてあげましょう。
個人によってタイプが違う可能性もある
「男の子には能力を褒める」、「女の子には共感」とお伝えしましたが、これはあくまで傾向であり、個人差があります。
例えば、男の子でも「一緒に頑張ろう」と声をかけた方が良い子もいますし、女の子だけど「あなたならできる!」と声をかけた方が良い場合もあります。そのため、子どもの性格などもよく観察したうえで、ぴったりな言葉をかけてあげるのが良いですね。
合わせて読みたい
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。