保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。 3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。 生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/保育記事監修者プロフィール:伊藤美緒先生
小学校高学年を中心に、子どもたちの間で形成される「ギャンググループ」。子どもの学年が上がるにつれて、グループ行動が増えていきます。仲間との絆の深まりは成長の証しだと思いつつも、何かと心配なママ・パパも多いことでしょう。ギャンググループはなぜ作られるのでしょうか?また、親としてどのように接するべきでしょうか?今回は、ギャンググループの特徴や、この年代での家族の役割について解説します。
ギャンググループとは?何歳からできる?
ギャンググループとは小学校高学年を中心に、子ども同士の間で形成される仲間関係を指します。高学年といえば気の合う友達との「グループ行動」が増えていく時期。まず、ギャンググループの意味と年代についてご説明します。
成長過程で作られる「ギャンググループ」
子どもの成長に欠かせない仲間・友達の存在。対人関係は子どもの成長とともに変化し、高年齢になるにしたがって、「ギャンググループ」と呼ばれる仲間集団を形成するようになります。
ギャンググループという言葉にはさまざまな定義が存在し、小学生を指すこともあれば子ども全般が対象になることもあります。欧米では「問題行動を起こす子どもの集団」をギャングと呼ぶこともあるため、この言葉に悪いイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、国内では単なる仲間集団を指すことが一般的です。
ギャンググループができるのは小3以降?
ギャンググループを形成する年齢は、一概にはいえませんが、小学校4~6年生の高学年が多いといわれてきました。ただし、埼玉大学教育学部で実施された研究によると小学校3年生の後期に、それまで見られなかった仲間集団の形成が見られた、と報告されています。同研究によると、小学校3年生の前期~中期(4月~7月)は休み時間にやりたい遊びをしているもの同士で、集まって遊んでいる姿が見られました。一方、小学3年生の後期(9月)以降には、「向性のみで好きな遊びや気の合う児童同士と仲間集団を作る児童が多くなった」とのこと。つまり、ギャンググループは早ければ小3で形成されるのです。
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ギャンググループが作られる原因と特徴
仲間集団、と聞いて、自分にも思い当たる経験がおありの人も多いでしょう。仲のいい友達同士で集まるのは、ごくありふれた光景です。とはいえ、なぜ子どもは集団化するのでしょうか?ギャンググループができる原因と、特徴をご説明します。
周囲と結びつくためのギャンググループ
ギャンググループが形成される原因として、次のような説があります。
友達と一緒に行動したい
小学校低学年までは、「やりたい遊びをする」ことが第一でしたが、高学年になると「気の合う友達と一緒に行動する」ことが優先になります。
対人関係の広がり
一度形成されたギャンググループが入れ替わることもしばしば。さらに、同時に複数のグループに属し、多くの友達と接する子もいます。
友達が心理的依存の対象に
秘密を打ち明ける、約束をするなど、親しい友達との、特別な行動が増えていきます。友達との関(かか)わりはより親密に変化します。
複数の説がありますが、ギャンググループは子どもが周囲と結びつくために重要なものといえるでしょう。
ギャンググループの特徴三つ
知っているようで知らないギャンググループの特徴。代表的なものを三つご紹介します。
「自分のしたいこと」より友達を優先
グループで行動するために、時には自分のしたいことを我慢するケースもあります。
同性のみのグループ
小学校低学年までは男女の関係なく遊んでいたのに・・・ママとパパが子どもの成長を実感するこのポイントも、ギャンググループの特徴です。
常に「いつメン」で行動!
ギャンググループに属すると、休み時間、放課後、休日、ありとあらゆる自由時間を「いつものメンバー」で過ごすようになります。仲のよさを感じる反面、仲間に依存している子どもをみると親としては少し心配にもなってしまうかもしれません。
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30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
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