平安時代から行われ続けてきた「お食い初め」には、生まれてきた赤ちゃんがこれからの生涯において食べることで困らないようにといった願いが込められています。現代では、お祝いに使用する器をレンタルしたり、お食い初めの献立自体をネット等で購入できたりとさまざまですが、一般的に行われるお食い初め祝い膳についてまとめてみました。
まずは準備から!祝い膳の一般的な献立
お食い初め祝い膳の一般的な献立は「一汁三菜」が基本で、生まれた赤ちゃんが生涯において、海のもの(焼き魚)・山のもの(煮物)・塩(香の物)・穀物(お赤飯)・飲み物(汁物)を必要な食材として与えるといった理由からなります。
海のものとして出される食材は「タイ」が主流
お祝い事に欠かせないタイは、お食い初め膳の献立としてもよく使用されています。タイはヒレ部分に塩をすり込んでから焼くと、焦げや形くずれを防ぐことができます。また、大皿や漆塗りのお盆に紅白紙や敷き葉などを乗せ、その上に頭を左に向けたタイを置き、さらに飾りひもを添えて盛り付けを行うと、一気に華やかな印象になりますよ。
山のものには旬の食材も使用しましょう
煮物を作る際は一般的に、紅白を表すニンジンと大根、亀の甲羅に見立てた六角形に切ったシイタケやカボチャを使用して作りましょう。また、先を見通せるようにという意味合いからレンコンを、子宝に恵まれるようにという意味合いから里芋を入れて願掛けをしたり、旬の食材を加えたりするのもおすすめです。食材は飾り切りをするとお祝い感が出ますよ。
汁物にはハマグリやエビのお吸い物を!
ハマグリはペアになっている殻としか合わないといった性質があることから、良い伴侶に恵まれるようにといった意味合いがあり、エビは腰が曲がっている姿から長寿の意味合いがあります。また、吸う力が強くなるようにといった願掛けから、汁物にはお吸い物を使用することが多く、季節によって取り入れる食材はさまざまです。
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その他お食い初め祝い膳で用意するもの
上記に書いたメニューにプラスして紅白餅も加えると、テーブルの上がさらにお祝いの席らしい見栄えになります。また、お食い初めに必須なのは食材だけではありません!使用する食器や箸などにも重要な意味合いや役割があるのです。
お食い初めに使用する食器と注意点
お食い初めに使用する食器は漆器や素焼きした食器になります。器の色が性別によって異なるため、用意する際には注意が必要です。地方によって器の色が逆のところもあるようですが、一般的に内側と外側の両方が朱塗りの器は男の子、内側が朱塗りで外側が黒塗りの器が女の子用となります。現代では離乳食用食器で済ませてしまう家庭も多いですが、器のレンタルサービスもありますよ。
お食い初めにも祝い箸を使用しましょう
お祝いの席には欠かすことのできない祝い箸は、長さが約24cm(末広がりの八寸)で両端が細い丸箸のことで、柳の木から作られています。なお、この祝い箸で通常通り食事を行っても構いませんが、片方から神様が食事をするという意味合いから両端が細くなっています。くれぐれも箸の向きを反対にして使用することは避けましょう。
歯固めの儀式を行うための「歯固め石」を用意する
赤ちゃんの歯が生え始める時期がちょうどお食い初めをする頃なので、歯固め石を利用して儀式を行います。この歯固め石は、お宮参りの際に祝い箸と一緒に神社から授かることもありますが、そうでなければ神社や河原から拾ってきたものを使用します。その際には必ず熱湯消毒をして乾かしてから使用するようにし、使用後は元の場所に戻しましょう。
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1歳の息子がいるシングルマザーです。最近は息子とのお菓子作りにはまっています。
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