子どもを安心して預けられる「安全な幼稚園」を考える

幼稚園の安全ポイント
2022年9月、園バスに子どもが置き去りにされて死亡するという、大変痛ましい事故が起きました。

多くの園では安全のためさまざまな対策が施されていると思いますが、今一度、わが子の通う園の安全対策を確認してみましょう。

保育士資格を持ち、かつ子ども3人を幼稚園に通わせた経験を持つ筆者が、幼稚園の安全対策についてどんなポイントを確認したらいいのかご紹介していきます。

幼稚園の安全ポイント

園バス
以下の表は、令和2年に教育・保育施設等で起こった事故を集計したものです。
幼稚園、保育園等の合計は1,586件ありました。

保育施設の事故

これらの事故を少しでも防げるように、園の安全対策をチェックしておきましょう。

園バスで降車確認をしているか

園バスの降車確認は、座席の下まで隈なくチェックしてほしいポイント。

保育園、こども園を対象にしたあるアンケートによると、「降車確認は二人以上で行っているか」という問いに「行っていない」と答えた園は6.3%ありました。
職員の人数にもよりますが、園バスに子どもが残されていないかダブルチェックできると安全性が高まります。

しかし園バスには、「運転手の他に保育者が〇人以上乗車すること」などの、明確な規定は設けられていません。
そのため園バスの安全対策は各園に任せられているのが現状です。

実際に園バスを利用する際は、どんな安全対策が取られているのか確認しておきましょう。

万が一に備えて子どもに教えておきたいこと

万が一、子どもが園バスに取り残されても自分で対応できるように、以下のことをしておくのとよいそうです。

  • クラクションを鳴らす練習をしておく
  • 園バッグに笛を付けておく

「NHK 地球のミライ」のインスタではクラクションを鳴らす取り組みをしている幼稚園がアップされていました。

無断欠席すると連絡がくるか

どんな場合でも無断欠席した場合は、園から保護者へ連絡がくると安心です。
「毎日保護者と一緒に登園するから、来てないということは欠席」と判断する幼稚園は危険といえるでしょう。

また保護者側も子どもが欠席をする際は、電話やアプリなどですぐ連絡を入れることを忘れずに行ってください。

車での送迎を禁止しているか

車で子どもを送迎する場合、他のお子さんと接触事故を起こしてしまう危険性があります。
特に園周辺の道路では園児が急に飛び出したり、車の死角にいたりする可能性もあるため、気を付けていても事故が起こりやすいでしょう。

車での送迎を禁止している、または専用の降車場所を設けている園の方が安全といえます。

セキュリティがしっかりしているか

部外者の立ち入りができないのはもちろん、園児も外へ出られない構造で登園、降園時以外はしっかりと門が施錠してあるオートロックだと安全です。

以下のような安全対策がされているか、確認しておいたほうがよいでしょう。

  • 部外者が入ってこれないような高いフェンス
  • 職員が来園者の確認ができるカメラ付きインターホン
  • 防犯カメラの設置
  • 園内の非常押しボタン

先生の人数は足りているか

幼稚園、保育園ともに、職員の配置人数が決められています。

幼稚園 保育園
1学級あたり先生1人
(1学級の幼児数は35人以下が原則)
・0歳児:児童3人につき1人
・1、2歳児:児童6人につき1人
・3歳児:児童20人につき1人
・4、5歳児:児童30人につき1人

しかしこの人数だと、実際の現場では目が行き届かないことも多々あります。
そのため、先生の他に補助の職員も配置されているのが望ましいでしょう。

先生の雇用形態も社員、派遣、パートなどさまざまだと思いますが、雇用形態が問題ではないのです。園としてのマニュアルに基づいたチェック体制が機能しているか、日々の確認作業をおろそかにしていないか、などです。
うちの園はどうなっているか?と心配の保護者の方は、園に直接「バスの運転手さんがお休みの場合は誰が代理に?」「チェック体制は機能しているか?」と質問してみましょう。

プールの安全対策はされているか

プールは、園庭よりも先生の目が行き届かない場所です。
そのため安全対策は必須。
例えば、以下のような安全策があります。

  • 担任の他に補助の人員を配置する
  • プールサイドに浮き輪などを設置する
  • 排水溝の防止柵のチェックをする
  • 子どもにも分かりやすいマニュアルを作成する
     (走らない、勝手に入らないなど)

おうちでも、「プールは楽しいけど、ルールを守らないと危険なこともあるよ」など教えておくといいですね。

おわりに

保育士や幼稚園教諭は、通年人手不足が叫ばれています。
安全チェックを何重にしたくても、人員が足らずおろそかになってしまう…という園も少なくないでしょう。
安全チェック項目を増やすことは大切ですが、人の命を預かる現場として、待遇を改善し、人員を増やすのも安全策の一つといえるのではないでしょうか。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

ピックアップ

ベビーベッドで窒息事故。消費者庁が注意喚起
ベビーベッドで窒息事故。消費者庁が注意喚起
赤ちゃんを寝かせておくベビーベッドで窒息事故が報告されています。安全のために使用しているベビーベッドで、なぜ事故が起こったのでしょうか。...
【0歳~6歳】屋内で一番多い子どもの事故。それは◯◯◯だった!
【0歳~6歳】屋内で一番多い子どもの事故。それは◯◯◯だった!
子どもの事故は、公園や駐車場などの屋外だけではなく、家のなかでも起こります。特に、好奇心いっぱいで何でも自分でやりたがる年齢の子は要注意...
子どもの事故は駐車場が多い!親の注意で絶対に防げる
子どもの事故は駐車場が多い!親の注意で絶対に防げる
近年では、子どもが関連する駐車場での事故が後を絶ちません。小さな子どもを持つパパ・ママの多くは、国内で子どもが関連する、痛ましい駐車場事...

この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。

コメント
購読はいいねが便利です!
子どもを安心して預けられる「安全な幼稚園」を考える
この記事をお届けした
たまGoo! - 妊活・妊娠・出産・育児の応援サイトの最新ニュース情報を、
いいねしてチェックしよう!

良ければシェアをお願いします。

アプリで
たまGoo! がもっと便利に

iPhone,AndroidのアプリでたまGoo!が便利に。

たまGoo!が便利なアプリになりました。
ちょっとした時間にチェック、電車の中でもサクサク快適。
たまGoo!をより近くに感じてください!

トップへ戻る