小学校高学年あたりから、生理が始まる女の子は多いと言われています。しかし、生理は健康に成長したという証ではありながらも、心や身体に少なからず影響を与えますし、生理時のナプキンの取り換えなどは大変です。このような生理時のお助けアイテムとして流せるナプキンの存在があります。
ここでは、流せるナプキンについてご紹介します。
流せるナプキンってどういうもの?
流せるナプキンとは、ナプキンを使用後にトイレットペーパーのようにトイレに流すことのできるアイテムです。後処理に時間がかからないことと、水に溶ける素材でできていることから、肌にも優しいメリットがあります。
使用済みナプキンはトイレに流すだけ
一般的なナプキンを使った後は、ナプキンが包まれていた包装紙やトイレットペーパーにくるんで、サニタリーボックスに捨てる必要があります。しかし、急いでいるときや生理が始まったばかりの女の子には、その一連の手間が負担になりがちですよね。
一方、流せるナプキンには吸水ポリマー(吸収した血液を固めておく役割を持つ)が入っておらず水に溶けるため、使用後はトイレに流すだけで面倒な後処理が不要になります。また、万が一サニタリーボックスが設置されていないトイレに入ってもナプキンを持ち帰る必要がないので、安心です。
天然素材で作られているので快適
流せるナプキンは天然素材で作られているので、水に溶けるという特徴があります。このようなナプキンは通気性が良く、肌がかぶれにくいというメリットも備えています。
つまり、肌への負担や刺激が少なくなるので、アレルギー傾向や敏感肌の人が使っても、肌のトラブルが起きにくいと言われているのです。
水溶性だから環境に優しい点が強み
流せるナプキンは、プラスチックを使っていないので水に溶け、生物分解するまで長い時間がかからないという強みがあります。つまり、その分ごみが減り、環境対策に役立っているのです。
ところが、プラスチックが入っている一般的なナプキンは、生物分解に何百年もかかると言われています。一説では、生理用ナプキン1つに含まれるプラスチックは、レジ袋4枚程度に値するという報告もあるのです。結果的に、プラスチックごみが増える原因に繋がっている点は考えものですね。
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流せるナプキンはなぜ見かける機会が少ない?
流せるナプキンは、手軽で環境にも優しいというメリットがあるにもかかわらず、ドラッグストアなどで見かける機会がないな…と感じている方もいるでしょう。
実は、流せるナプキンはさまざまな理由から、ほぼ生産中止になっていると言われています。需要があると思われる流せるナプキンですが、どうしてなのでしょうか?
節水タイプのトイレが増えてきたことが原因
最近は、世の中自体がエコを考える時代です。そのため、節水タイプのトイレを取り入れることが当たり前になりました。水を大切に使うのはもちろん良いことに変わりはないですが、このタイプのトイレは水量が少ない設計になっています。
それにより、流せるナプキンがトイレに詰まってしまう可能性が心配されるようになったのです。
流せるナプキンでも工夫しなければ詰まる可能性も
流せるナプキンはいくら流せると言っても、使用後には縦に割く必要があったり、2枚重ねや丸めたりすると詰まったりする危険性があります。流せるナプキンが生産中止になる以前にも、流す前に工夫しなければ詰まることもあったようです。
このように、一般的なナプキンと比べて気を配る必要性を持っている点も生産中止の理由になったと言えるでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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